研究課題/領域番号 |
06272102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金澤 一郎 東京大学, 医学部, 教授 (30110498)
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研究分担者 |
辻 省次 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70150612)
近藤 郁子 愛媛大学, 医学部, 教授 (20110489)
西澤 正豊 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80198457)
池田 穣衛 東海大学, 総合医学研究所, 教授 (50266467)
黒澤 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
158,100千円 (直接経費: 158,100千円)
1996年度: 49,300千円 (直接経費: 49,300千円)
1995年度: 53,000千円 (直接経費: 53,000千円)
1994年度: 55,800千円 (直接経費: 55,800千円)
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キーワード | ハンチントン病 / 脊髄小脳変性症 / DRPLA / マシャド・ジョセフ病 / CAGリピート / 蛋白リン酸化 / SCA2 / 福山型先天性ジストロフィー / 瀬川病 / GTPシクロビロラーゼI |
研究概要 |
遺伝性の神経変性疾患の中には疾患遺伝子内にCAGリピートをもちそのリピート数が異常に増大することによる疾患(これをCAGリピート病と呼ぶ)があることがわかってきた。本研究班ではこれらの疾患を中心に研究を進め、以下のような成果を得た。 (1)ハンチントン病については、池田らは第4染色体短腕の責任遺伝子周辺のゲノム構造を詳細に検討し、そこに少なくとも6個の新しい遺伝子の存在を報告した。黒沢らはCAGリピート部がそれだけで二本鎖DNA構造をとり、これがアルカリ性下におくと破壊されることを報告した。石黒らはハンチントン病の病態モデル作成の途中経過を報告した。金澤らはHayden博士との共同研究により日本人でHDの頻度が低いことは、正常人のCAGリピートの平均数が少ないことに関連することを見いだした。(2)脊髄小脳変性症にはCAGリピート病が多い。その内DRPLAについては山田ら、辻らはDRPLA遺伝子の全シーケンスを決定した。この知見に基づいて近藤らは本症における対立遺伝子の連鎖不平衡を検討した。本年度、山田らはこの遺伝子の調節領域の塩基配列を決定した。金澤らは、このDRPLA遺伝子の産物であるアトロフィンが実際に各組織で発現しており、しかも通常リン酸化されていることを報告した。MJDについて、垣塚らはMJD遺伝子の一部を培養細胞に発現させるとその細胞はアポトーシスを起こすことを発見した。西沢らは、MJDにおける単一精子のDNA解析を行い、精子のレベルで異常遺伝子頻度が高いことを見いだした。辻らは異常に伸長したCAGリピートをもつ遺伝子を探索する新しい方法を開発した。さらにこの方法を用いてSCA2の責任遺伝子の同定に成功した。田代らはこの結果を基に本邦のSCA2のCAGリピート数と臨床症状との関連を明らかにした。水沢らはHCCAの遺伝子同定を行っているがその中間報告を行った。その他の疾患については、筋緊張性ジストロフィーについて、石浦ら様々な長さのCTGリピート数をもつ遺伝子を培養細胞に発現させ、リピート数が伸長するとC1チャンネルが活性化することを見いだした。また戸田・金澤らは、福山型先天性ジストロフィーの遺伝子異常が挿入という形式であることを発見した。
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