研究課題/領域番号 |
06272107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学部, 教授 (80135558)
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研究分担者 |
田村 豊 福山大学, 薬学部, 助手 (30217202)
下濱 俊 京都大学, 医学部, 助手 (60235687)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | グルタミン酸 / 黒質 / 細胞死 / チロシン水酸化酵素 / ドパミン / MPP^+ / MPTP / NO |
研究概要 |
中脳黒質神経細胞死におけるグルタミン酸の役割とMPP^+毒性との関係を明らかにする目的で、ラット胎仔由来培養黒質細胞を用いてグルタミン酸誘導発神経毒性の特徴について検討した。更に、培養大脳皮質細胞を用いグルタミン酸神経毒性における一酸化窒素(NO)の関与を検討した。 1.免疫染色を用いて培養中脳細胞のチロシン水酸化酵素(TH)含有ニューロンを調べたところ、培養細胞の約1%がTH陽性であった。したがって、培養細胞中には約1%のドパミンニューロンが存在すると推定された。グルタミン酸の短時間投与により遅延性細胞死が観察されドパミンニューロンと非ドパミンニューロンの間にはグルタミン酸毒性に対する感受性の差は認められなかった。グルタミン酸神経毒性はNMDA受容体を介して発現することを示唆する知見が得られた。一方、MPP^+は低濃度ではドパミンニューロンに対して選択的な毒性を発現したが、高濃度(10μM以上)では非ドパミンニューロンの細胞死も誘発した。MPP^+の用量依存性を検討したところ、低濃度のMPP^+はドパミンニューロンにおけるグルタミン酸毒性を著明に増強したが、非ドパミンニューロンにおけるグルタミン酸毒性には影響を与えなかった。以上の結果は、MPP^+がドパミンニューロンに対して選択的細胞死を誘発する作用を持つこと、および、その細胞選択性はグルタミン酸神経毒性と組み合わされることにより更に顕著になることを示唆する。 2.グルタミン酸の短時間投与により誘発される遅延性神経毒性はNMDA受容体拮抗薬のNO合成酵素阻害薬によって抑制された。また、NO生成試薬はグルタミン酸と類似した遅延性神経細胞死を誘発した。これらの知見は、NMDA受容体性グルタミン酸神経毒性がNOを介して発現することを示唆する。
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