研究課題/領域番号 |
06272207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩坪 威 東京大学, 薬学部, 寄附講座教員 (50223409)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | Lewy小体 / パーキンソン病 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
パーキンソン病の変性神経細胞に特徴的な線維性封入体であるLewy小体(LB)の構成成分の同定を目的として、汎発性Lewy小体病(DLBD)大脳皮質から皮質型LBを大量に単離精製し、本年度はモノクローナル抗体の樹立を試みた。DLBD皮質をホモゲナイズ後ショ糖密度勾配遠心法で分画し、1.5/2.2M界面にLBを回収した(粗LB画分)。この画分を抗ユビキチン抗体もしくは抗ニューロフィラメント抗体RM032で蛍光染色し、セルソーター(Coulter,Epics Elite)でLBを分離した。1回目のsorting後のLBの純度は10%前後、2回目のsorting後の純度は60%以上であった。2nd sorting後のLBを約200万個収集し、1%サイコシルで可溶成分を除去し、抗原として用いた(推定蛋白量20μg)。2匹のマウスの足底に抗原を接種後、約10日後に腫大した膝窩リンパ節を摘出し、fusionを行った。約80のイムノグロブリン産生クローンが得られ、粗LB画分スメア、アルコール固定DLBD皮質切片の免疫染色によりLB陽性クローンをスクリン-ニングした結果、LBを強く染める1クローンが得られた(LB48)。LB48は皮質型LBの全体、脳幹型LBの周辺部を強く染色し、他に樹状突起、軸索も染色された。脳ホモゲネートのイムノブロットでLB48は分子量約50Kdの単一バンドを染色した。LB48はphosphocellulose colomn精製チューブリンとも反応することが確認され、抗チューブリン抗体であることが判明した。精製チューブリンを等電点電気泳動し、イムノブロットしたところ、LB48はβチューブリンを特異的に認識したが、特別なisotype specificityは見られなかった。免疫電顕ではLB48は皮質型LBの線維成分ではなく線維間の無定型物質と反応した。今後LBをさらに大量に精製し、免疫方法、抗原の前処理に検討を加え、LBの構成線維そのものに対する抗体の樹立を目指したい。
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