研究課題/領域番号 |
06272227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
福嶋 伸之 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10254161)
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研究分担者 |
宮前 丈明 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00239435)
植田 弘師 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00145674)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 生存維持因子 / 神経細胞死 / 培養上清 |
研究概要 |
神経細胞の生存を維持する液性因子を神経細胞の上清中に見い出し、その同定および抗体作成を目的として研究を行った。胎生17日のラット大脳皮質より調製した神経細胞を低密度で蒔き無血清下で一日培養すると、ほとんどの細胞が死滅する。これに対し、高密度(低密度の5倍の密度)で培養した時、細胞の生存が維持された。高密度培養した時の培養上清を低密度培養系に加えても、同様に生存が維持された。これらのことより、培養上清中に液性生存維持因子(細胞死抑制因子)が存在していることが示唆された。上清中に含まれる生存因子の生存維持活性は、酸性下での熱処理や凍結融解により影響を受けなかったが、熱処理やProteinaseK処理により約60%減少した。このことから、生存維持因子の少なくとも一部は蛋白性であることが分かった。低密度培養系においてNGF、aFGF、bFGF、EGF、LamininあるいはFibronectinのような既存の生存維持因子は無効であった。さらに培養上清中の生存維持活性は、ゲルろ過クロマトグラフィーおよびSDS-PAGEにおいてそれぞれ分子量45kDaおよび20と22kDaのところに認められた。以上のことから、今回見い出された生存維持因子は、既知のものとは異なる新規物質の可能性が考えられる。これらの因子の大量精製を行い、現在一次構造を解析中である。さらに、これらのモノクロナール抗体の作成を進めている。特に中和抗体は、本因子の神経細胞コミュニティーにおける役割を調べる上で重要な鍵となると期待される。
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