研究課題/領域番号 |
06272231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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研究分担者 |
浅川 修一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30231872)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ダウン症 / てんかん / そう鬱病 / コスミドライブラリー / エキソントラッピング / HDRフイルター / 中枢神経系 / 染色体ソーティング |
研究概要 |
ヒト21番染色体にはダウン症候群に共通した精神遅滞、ミオクローヌスてんかん、そう鬱病など、脳神経作用に関連が深い疾患の原因遺伝子が存在すると推測されている。我々はこのような疾患遺伝子のクローニングを行なうための基盤材料として、21番染色体をソーティングによって純化し、そのDNAを材料にして33,000クローンからなるコスミドライブラリーを作成した。さらにフィルター当り1,536クローンをスポットした高密度レプリカ(HDR)フィルターを作成し、7枚一組(21番染色体DNAの6倍に相当)でハイブリダイゼ-シヨンによるスクリーニングを迅速・簡便にできるように工夫した。このHDRフィルターを用いて、いわゆるダウン症候群関連領域(DCR:D21S17-D21S55-ETS2)をカバーする10個のYACクローンDNAをプローブにスクリーニングした結果、この領域(約4Mb)に由来するコスミドクローンを約1,000個同定した。これらのコスミドクローンをYACクローンの重なりから、さらに19のサブ領域に分類した。すなわち平均200kbの間隔に50個づつのコスミドクローンを収集した。これらのサブ領域に特異的なコスミド群からDNAを精製し、エキソントラッピングベクターpSPL3を用いて未知遺伝子の系統的な探索を行なった。現在までに150種類以上のエキソンを単離し塩基配列を決定した。データベースによるホモロジー探索の結果、ほとんどは未知の塩基配列(すなわち新しい遺伝子の断片)であったが、興味深いことに、ショウジョウバエの中枢神経系の発生に重要な機能を果たす遺伝子simと高いホモロジーを示すエキソンが5個含まれていた。このsim遺伝子は、ダウン症に共通する精神遅滞との関連で注目されるばかりでなく、ヒトの中枢神経系の発生過程における役割が期待されるので、マウスの系で発生生物学的な解析を進めている。さらに、多数の未知のエキソンについては脳神経特異的に発現するものをスクリーニングしつつある。
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