研究課題/領域番号 |
06273205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中込 治 秋田大学, 医学部, 教授 (70143047)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ロタウイルス / ゲノム / RNA / 分子進化 / 種間伝播 / 遺伝子交雑 |
研究概要 |
ロタウイルスは、11分節からなる2本鎖RNAをゲノムとするウイルスであり、分類上レオウイルス科に属する。ロタウイルスの特徴の1つは、著しい抗原性、および遺伝子型の多様性である。本研究では、この遺伝子の多様性がどのようにして生まれてくるのかということについて、(1)遺伝子組換え、および(2)ウイルスの宿主の種を越えた伝播にある、という仮説を立てて、臨床分離株の解析を行い、以下の結果を得た。 われわれが過去12年間にわたって蓄積したロタウイルス臨床分離株のコレクションを整備し、遺伝子のRT-PCRによる分析と、ゲノム全体のゲル電気泳動法による遺伝子型分析を行った。この結果、ロタウイルスのゲノムの遺伝子型には著しい多様性がある一方、RNA-RNA hybridizationにより、遺伝子の相対的相同性の上から3つの大きなgenogroupに分けられることを明らかにした。さらに、このgenogroupが原則として、特定のG型とP型の組合せを決定している要因となっていることを強く示唆する結果を得た。一方、genogroupが異なるウイルス株の間でも、低頻度ではあるが、遺伝子分節の組換えがおこり、そのようなウイルスが自然界に存在することを明らかにした。 さらに、ロタウイルスのP血清型を規定する遺伝子のうち、今まで未知であった3つの対立遺伝子の全塩基配列を決定し、すでに塩基配列が知られていた対立遺伝子と合せて、分子系統樹を作成して、それらの進化的関係を明らかにしようと試みた。その結果、系統樹の分岐パターンと分離株間の遺伝距離の関係から、動物ロタウイルスがヒトに感染するという、interspecies transmissionが起こっていることが明らかとなった。
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