研究課題/領域番号 |
06273215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 文彦 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (50212220)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 免疫グロブリン遺伝子 / V_Hファミリー / 分子進化 / 遺伝子変換 / 転座 |
研究概要 |
1.ヒトVH遺伝子群の進化の過程を明らかにする目的で、37個の機能的VH断片のアミノ酸配列を用い、neighbour-joining法によって系統樹を作成した。その結果、ヒトVHファミリーは祖先型の遺伝子より先ずI、II、IIIの3つのグループに分岐し、その後IよりVH1、VH5、VH7が、IIよりVH2、VH4、VH6が、IIIよりVH3のファミリーがそれぞれ形成されたことが明らかになった。 2.最近の重複により生じた遺伝子断片の間で、コーディング領域の同義座位とイントロンの間での塩基配列の置換率を比較した。その結果、V3-60PとV3-62Pの間で、コーディング領域に対してイントロンの塩基置換率が有意に低いことを見い出した。他のVH断片との置換率の比較で、V3-62PはV3-60Pと分岐した後V3-43をドナーとする遺伝子変換を受けたことを強く示唆する結果を得た。同様の遺伝子変換のさらに顕著な例が、V4-28/V4-55P、V4-4/V4-59、V4-4b/v4-55Pの間で見い出された。 3.15番、16番染色体に転座したVH断片に塩基配列を14番染色体上のVH断片と比較した。その結果14番染色体上のV3-11^-V3-16P及びV2-26のVH断片と16番染色体上のVF3-11^-VF3-16P及びVF2-26が同じ順序で高い相同性を示すことが判明した。14番染色体から16番染色体へのの転座は約2000万年前と算出された。一方、15番染色体上のV54断片は14番染色体上のV1-18と95%の相同性を有していた。V54とV1-18の分岐年代は約1500万年前と計算され、16番染色体への転座の過程でV1-18を含む一部の領域が15番染色体へ転座した可能性が示唆された。
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