研究課題/領域番号 |
06273216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 分子進化 / レトロウイルス / エイズ / 白血病 / HIV / HTLV |
研究概要 |
1)HIVの分子進化 中央アフリカのカメルーンにおいて30検体余りについてウイルスの遺伝子解析を行い、最も古い時代に分かれたグループOと呼ばれるものから割と最近になって分かれたタイプまで、さまざまな段階で分かれたHIV-1が検出された。1例において中央アフリカではじめてHIV-2の遺伝子解析を行うことができ、西アフリカでよく流行しているタイプと同じものであることから、比較的最近入ってきたものと考えられた。さらに、同一の患者からHIV-1も検出されたため重感染していたことが明らかとなった。この他、env領域を比較解析することにより、1例においてpol領域とenv領域の間で組み換えを起こした可能性を示唆する例も見つかった。以上の結果は、今後HIVの起源と進化を解析する上で重要である。 2)HTLVの分子進化 本年度は、イラン北東部のマシャディ市からイスラエルに移住したユダヤ人集団10人のHTLV-1について系統解析した。得られた検体からの配列は、互いに非常に類似しており、系統樹においてHTLV-1コスモポリタン型のサブタイプAに属する一つの独立なクラスターを形成した。我々は、これまでの系統解析でHTLV-1のコスモポリタン型を3つのサブタイプに分け、その地域分布と系統差が過去の人類移動に関係している事を指摘したが、今回マシャディユダヤ人のHTLV-1がインド、日本、カリブ海、南米などの広い地域に見られるサブタイプAであったことから、このタイプが従来考えてきたよりも更に広い分布を示すことが明らかとなった。このサブタイプAの広がりを人類移動の観点からどの様に解釈するかは今後に残された課題である。
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