研究課題/領域番号 |
06274206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 千葉大学, 医学部, 教授 (70009116)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 胚心筋細胞 / マイクロインジェクション / 免疫電顕 / アクチン / ミオシン / 筋原線維形成 / トロポニン |
研究概要 |
1.筋原線維形成過程におけるアクチンおよびミオシンの動態:ニワトリ胚心室筋由来の培養細胞に、ビオチン標識アクチンまたはミオシン軽鎖をmicroinjectionし、1分〜1時間後に抗ビオチン抗体および5nmコロイド金標識二次抗体で処理し(ある場合には銀増感も行った)、超薄切片を電子顕微鏡で観察した。アクチンを導入すると、筋原線維の近位部(末端以外の部分)ではそのA帯レベルの周辺が標識され、またミオシンを導入すると、I帯レベル(特にA-I接合部付近)が標識された。このことは、アクチンとミオシンの重合は、相互の蛋白質の存在下に起こることが考えられ、この機構で筋原線維の直径が増加することが考えられた。また筋原線維の遠位部(末端)では、終末筋節の終末アクチンフィラメントの存在する部位に両蛋白質の取り込みがみえ、この部において活発なフィラメント形成と代謝回転の起こっていることが考えられた。さらに、筋原線維の延長線上にも膜と密接な関係をもってアクチン分子が集合しているのがみえ、これは筋原線維の延長と、初期のアクチンフィラメント束の形成に関係していることが考えられた。 2.心筋型トロポニンI(CTnI)cDNAの幼若骨格筋細胞への導入による筋原線維形成機構の解析:胚骨格筋細胞ではCTnIの発現はみられない。そこで培養幼若骨格筋細胞およびC2C12細胞にCTnIのcDNA(ほぼ全長)を導入(lipofection法)してCTnIを強制発現させることにより、筋原線維形成機構を解析した。導入した細胞をCTnI抗体で免疫蛍光染色すると、横紋のない線維束は反応したが、明らかな横紋のある筋原線維は反応しなかった。すなわち成熟筋原線維には、そこに本来(発生期にも、成熟しても)存在しないCTnIの取り込みを阻止または取り込まれたものを排除するような機構が存在すると考えられた。
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