研究課題/領域番号 |
06274208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 力 東京大学, 医学部(病), 助手 (60251245)
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研究分担者 |
水野 健彦 東京大学, 医学部(病), 医員
塩島 一朗 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 細胞内情報伝達 / Raf-1キナーゼ / MAPキナーゼキナーゼ / MAPキナーゼ / PKC / MEKキナーゼ / 心肥大 / 伸展負荷 |
研究概要 |
我々は、心筋細胞に伸展負荷を加える独自の装置を用いて心筋細胞肥大に関与する細胞内情報伝達経路を解析し、これまでに、伸展負荷により、Cキナーゼ(PKC)、MAPキナーゼ(MAPK)の活性化がおこり、核内癌遺伝子発現の増強や、蛋白合成の亢進が引き起こされることを明らかにした。しかし、伸展負荷によるMAPKの活性化にいたる経路は未だ不明である。今回、MAPKの上流にあると考えられるリン酸化酵素を解析した。 ラット新生仔培養心筋細胞に伸展負荷を加え、Raf-1キナーゼ(Raf-1)、MEKキナーゼ(MEKK)、MAPキナーゼキナーゼ(MAPKK)、MAPKの活性を解析した。これらの活性は、それぞれの特異抗体で免疫沈降後、特異的基質のリン酸化能を指標に検討した。すなわち、Raf-1、MEKKの活性をrecombinantMAPKKのリン酸化に伴う^<32>Pの取り込みを指標とし、同様にMAPKK活性の測定にはrMAPKを用いた。 Raf-1とMEKKが、伸展負荷2分をピークに一過性に活性化し、MAPKK、MAPKがそれぞれ5分、8分をピークに活性化した。さらに、フォルボルエステル長期刺激またはStaurosporineによりPKCを抑制した後、伸展負荷を加えると、Raf-1、MAPKともに、その伸展負荷による活性化が約50〜70%抑制された。 以上、伸展負荷により心筋細胞内においてプロテインキナーゼカスケードが活性化されることが明らかになった。Raf-1からMAPKに至るこの情報伝達経路は、一部PKCの活性化によって引き起こされるが、PKCを経由しない経路の存在も明らかになり、さらに、MAPKがRaf-1及び、MEKKの2重の支配下にあることも判明した。このことは、伸展負荷による心肥大形成の情報伝達の多様性、重要性を示していると考える。
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