研究課題/領域番号 |
06274219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松沢 佑次 大阪大学, 医学部, 教授 (70116101)
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研究分担者 |
大野 昭 大阪大学, 医学部, 附属病院医員
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00127721)
桑島 正道 大阪大学, 医学部, 講師 (00205262)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルニチン / 全身性カルニチン欠乏マウス / 心肥大 / ミトコンドリア |
研究概要 |
心臓における脂肪酸代謝障害は心機能を低下させ、やがて重篤な心筋症を引き起こすと考えられている。しかし、障害の始まりから死に至る一連の過程を分析することは、ヒトにおいては不可能である。全身性カルニチン欠乏マウス(JVSマウス)はautosomal recessiveの遺伝形式を示し、心肥大を呈する新しいanimal modelである。本研究ではその心筋における組織学的、生化学的及び分子生物学的特徴を分析した。即ち、2,4,8週齢のhomozygoteおよびJVSの母系であるC3Hマウスを用いた。屠殺時に心臓を摘出し、心重量を測定たのちカルニチン含量、組織化学的検索、電顕的観察および脂質化学的分析を行った。骨格筋と心筋よりAGPC法にてtotal RNAを抽出し、COXIのcDNA断片をプローブとしてドットブロット法にてミトコンドリアmRNA量を分析した。結果は以下の通りである。homozygoteの遊離カルニチン、アシルカルニチンは母系C3H系に比し約15%であった。homozygoteの心重量/体重比は8週齢で10.7±0.1mg/gと母系C3Hマウス5.0±0.4に比し、約2倍であった。光顕的に心筋細胞は肥大しゴモリ変法染色ではragged red fiberをみとめた。電顕的にミトンドリアの形態異常、集簇をみとめ、これらミトコンドリアの変化は加齢と共に進行した。8週齢においてhomozygoteのphosphatidylcholine、phosphatidylethanolamine、cardiolipinの心重量あたり含量は母系C3Hマウスの約2倍であった。心筋のtotal RNAあたりのCOXI mRNA量は2群の間に明確な差を認めなかった。以上より、カルニチン欠乏に基づく心筋の脂肪酸代謝障害により、ミトコンドリア増生及び変性、脂肪蓄積などを特徴とした心肥大を生じることが示唆された。
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