研究課題/領域番号 |
06274234
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
武田 伸一 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (90171644)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | DMD遺伝子 / ジストロフィン / 心筋 / 転写調節 / CArG box配列 / 筋ジストロフィー / XLCM |
研究概要 |
心筋障害を主徴とするベッカー型筋ジストロフィー及び心筋障害のみを呈するX-linked dilated cardiomyopathy(XLCM)では、DMD(ジストロフィン)遺伝子の5′端に異常が検出されあるいは想定されていることから、同遺伝子の心筋における転写調節機構について検討を行った。 1.DMD遺伝子の心筋における転写開始部位の検索 ヒト心筋から調整したmRNAを材料として、RNase protection法及び5′-racing法を用いて検索を行い、ジストロフィンの心筋における転写開始部位が骨格筋と同一であって、共通した筋型プロモーターによって転写が行われることを明らかにした。 2.DMD遺伝子筋型プロモーターの心筋における発現調節機構 DMD遺伝子の筋型プロモーターにCAT遺伝子を組み替えたクローンを出発点として、一連の5′-欠失ミュータントを作製した。これらのミュータントをlipofection法を用いて新生仔ラット初代心筋細胞に導入し、細胞を回収してCAT assayを行った。初代心筋細胞において、最も高い転写活性を与えるのは上流-102bp以下を含むミュータントであり、同部にはCArG box配列が存在した。一方、転写開始部位より下流にも心筋の転写を軽度に活性化する部位が認められた。更に、CArG box配列及びその周辺に塩基変異を導入して細胞導入実験によりその効果を検討した所、CArG box配列及びその3′端に塩基変異を導入した場合に活性の低下が観察された。そこで、初代心筋培養細胞から核抽出液を作製して、CArG box配列及びその周辺をプローブとするゲル・シフトアッセイを行ない、同部に結合する蛋白質によるバンドを二つ見出した。同じバンドは、初代心筋培養細胞のみでなくC2骨格筋細胞株や10T1/2線維芽細胞株からも検出されたことから、組織特異的な因子ではないが、その結合が組織特異的に調節されている可能性が考えられた。
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