研究課題/領域番号 |
06276205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 急速冷凍電子顕微鏡法 / 3次元再構成 / アクチン・フィラメント / ライアノジン受容体 / イノシトール3燐酸受容体 / プルキンエ細胞 / 樹状突起 / 4量体構造 |
研究概要 |
代表者は、1)急速凍結フリーズレプリカ法によって得られた像から対象の3次元立体構造の情報を抽出してその信頼性に関する検討を行うこと、そして2)生理的条件下におけるライアノジン受容体(RyaR)とイノシトール3燐酸受容体(IP_3R)の構造を捉えその3次元構造を再構築することを本年度の目標として設定して研究を進めた。1)に関しては、筋肉から精製したアクチン・フィイメントのフリーズレプリカ像をその螺旋対称性に基づいた3次元再構成法を用いて解析した。その結果、レプリカ内側表面の凹凸の情報はアクチン分子のX-線結晶解析データより推定されたアクチン・フィイメントの表面構造をよく反映していることが判明した。またその背景に観察された球状粒子を良く観察するとその微細構造は発表されたアクチン・モノマーのX線モデルとよく対応しており、当方法によって試料の立体構造が良く保存されているのみでなくその空間分解能がほぼ1.5nm程度にまで達していることが裏付けられた。2)については、骨格筋膜分画から調製した筋小胞体ベジクル表面に局在するRyaRを当方法で観察した。最近、界面活性剤を用いて可溶化し精製した同受容体のクライオ電子顕微鏡法による高分解能3次元像が発表されたが、本法を用いて得られたレプリカ像はそのクローバ形の4量体構造を明瞭に示すのみでなく、多くの粒子においてその分子表面の溝や穴などの更なる微細構造も認められ本法の高い分解能を示すものであった。そこで哺乳類小脳プルキンエ細胞に大量に発現されるIP_3Rの分子構造を捉えようと試みた。ウシ小脳の分子層にはプルキンエ細胞の樹状突起が密集するが、その内部に格子状に配列する分子で表面を覆われたベジクル状の構造物を検出した。その構造単位はRyaRと同様正方形であったがサイズはほぼ1/2であり、隣接分子は互いに傾いて配列していた。種々の情況証拠からこれらはIP_3Rと推定される。
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