研究課題/領域番号 |
06276213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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研究分担者 |
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (10218589)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1994年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | インスリン / インスリンレセプター / シグナル伝達 / PI3-キナーゼ |
研究概要 |
インスリンは代謝調節、細胞増殖因子として生体必須のホルモンであり、それは細胞膜に存在するインスリンレセプターと結合することにより作用を発現する。そのシグナルがどのようにして細胞内に伝達され、最終的なターゲットに到達するか、またその病態によってどのような異常が生ずるかを解析することは重要な課題である。我が国には約500万人のインスリン非依存性(成人型)糖尿病患者がおり、それは細胞のインスリンに対する応答障害に1つの主な原因があると考えられている。 インスリンは細胞表面上にあるインスリンレセプターと結合し、レセプターチロシンキナーゼが活性化されインスリンシグナルを伝達する。糖尿病の病因を明らかにするためにはこのインスリンシグナル伝達の分子機構を解明する必要がある。 インスリンがそのレセプターに結合するとレセプター細胞内ドメインにあるチロシンキナーゼが活性化され、Insulin receptor substrate-1がチロシンリン酸化され、そこにSH2ドメインを介してPI3-キナーゼやGRB2が結合する。PI3-キナーゼはその結合により活性化されるが、GRB2はRasの経路を介して最終的にはMAPキナーゼを活性化する。このシグナル伝達における最初のステップはレセプターαサブユニットへのインスリンの結合であるが、その結合部位及び、結合様式は明らかになっていない。この結合には糖鎖が関与し、またαサブユニット同志でS-S結合が形成されなくてはならないため、大腸菌、バキュオウィルスの発現系は使用できない。 我々は以前インスリンレセプターのαサブユニットを細胞外へ放出するCHO細胞のクローンを確立した。無血清培地を用い培養液よりWGAカラム、ハイドロキシアパタイトカラムの2ステップによりαサブユニットを精製できたが、培地10ml当たり約1μgのαサブユニットしかとれなかったため、インスリンレセプターαサブユニットとインスリンとの結合を解析するためには大量高発現系を改良する必要がある。もっと強力な発現プロモーターを用い、ヒスチジンtagをつけて精製を1ステップにし、培地1ml当たり1〜10μgのαサブユニットを精製し、高次構造解析に用いたい。
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