研究課題/領域番号 |
06276216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
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研究分担者 |
猪原 直弘 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (60232576)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アポトーシス / 細胞死 / bcl-x / Bcl-x / NMR / X線結晶解析 / 遺伝子組み換え / 大量発現 |
研究概要 |
bcl-xはアポトーシスを制御する遺伝子であり、癌遺伝子bcl-2などとともにファミリーを構成している。我々の単離したラットbcl-x遺伝子からはアポトーシスを抑制するα型と促進するβ型およびγ型蛋白質が選択的スプライシングによって生じるが、この構造の差がどのように機能に反映しているのかは不明であった。また、構造既知の蛋白質との相同性はなく新規な蛋白質間相互作用ドメインであると期待される。そこで、これらの蛋白質を大腸菌で大量発現させて分子学的性質を調べた上で高次構造を決定をめざした。 まず、Bcl-xα全長(1-233)での構造決定をめざした。しかし、α型は膜結合領域(197-233)を有し、界面活性剤非存在化では75%ほどが不溶であった。そこで、この領域を除くことで親水性を高めた。2段階のカラムクロマトグラフィーの後、単一標品として得られ、円偏光二色性スペクトルおよびNMR一次スペクトルを測定することができた。さらにX線解析のための結晶が得られた。しかし、NMRでは分子量の点から、X線解析では安定性においていづれも構造決定するには不十分であった。 そこで、一連の欠損変異蛋白質を作成し、ドメイン単位での構造解析をめざした。この過程でゲル濾過の結果から、α型は単量体として存在する一方、欠損変異蛋白質は二量体として存在することが明らかとなった。本蛋白質には既知の二量体形成モチーフは存在しない。二量体に必要な領域は、それぞれ保存された領域((1)5-22,(2)140-189)を含み、独立に二量体形成に関与する他、領域(1)(2)が分子内で共存するときは両者が結合することで単量体を形成しているらしいことが明らかなった。このことは領域(2)に欠失または置換のあるβおよびγ型がα型に結合することでα型の機能を阻害していることを示唆し、細胞内での生理機能を反映しているものと考えられる。領域(1)を含む変異体蛋白質は極めて安定かつ可溶的であり、現在、二量体形成の可能なドメインの最低残基数を決定するとともに、精製方法を検討中である。
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