研究概要 |
〔1〕HMG1およびHMG2単独DNA結合領域の構造解析:HMG1,HMG2のcDNAのうち、それぞれのドメインAおよびドメインBをコードする領域を発現ベクター(pGEM-EX)のT7プロモーターの下流に挿入し、大腸菌BL21株で高発現させ、均一になるまで精製することに成功した。さらに、一次構造とDNA結合能を有することを確認した。現在、高次構造の解析を大阪大学蛋白質研究所の協力のもとにNMRにより、また奈良技術大学院大学の協力のもとにX線解析により進めている。 〔2〕DNA結合領域、ドメインA+Bの構造解析:HMG1,HMG2のcDNAより、ドメインA+Bをコードする領域を同様に発現ベクターに挿入し、大腸菌で高発現させ、均一になるまで精製することに成功した。さらに、一次構造とDNA結合能を有することを確認した。今後、上記の解析結果を参考にしながら、高次構造の解析を大阪大学蛋白質研究所の協力のもとにNMRにより、また奈良技術大学院大学の協力のもとにX線解析により進める予定である。 〔3〕表面プラズモン共鳴技術(BIAcore System)を用いたDNA結合領域とDNAとの相互作用の解析:上記のDNA結合領域A,B,A+Bに加えてそれらを結ぶリンカー(l)をもつAl,Bl,AlBlを同様に調製した。これらとDNAとの相互作用をBIAcore Systemを用いて検索した。その結果、リンカー領域がHMG1,HMG2の立体構造保持と結合強化に重要であり、また結合が多段階反応であることが明らかとなった。
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