研究課題/領域番号 |
06276218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
谷口 寿章 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (10257636)
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研究分担者 |
千谷 晃一 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (60179942)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 情報伝達 / リン脂質 / 合成ペプチド / 構造変化 / 円偏光二色性 / 立体構造 / リン酸化 / Cキナーゼ |
研究概要 |
本年度は、BAAモチーフを持つMARCKS、GAP-43、及びMARCKSの短いホモログであるF52タンパク質のカルモジュリン結合部位に相当するペプチドを合成し、フォスファチジルセリン、フォスファチジルグリセロール等の酸性リン脂質との相互作用を検討した.これらの合成ペプチドは、水溶液中では円偏光二色性の測定よりランダムコイル構造を取っているが、酸性リン脂質と結合するとα-ヘリックス含量が増加する事が見出された.さらに、トリフルオロエタノールを50%程度まで加え、溶媒の疎水性を増すことで、同様のランダムコイル-α-ヘリックス転移が観測された.また酸性リン脂質の極性部分の種類によりペプチドとの親和性、CDスペクトルの形に相違が見られ、単なる荷電のみならず、極性基の構造をペプチド側が認識することが明らかとなった.同じペプチド、及びMARCKSタンパク質のCキナーゼによるリン酸化は酸性リン脂質により阻害されたが、親和性の高い脂質ほど低濃度で高い阻害度を示し、Cキナーゼと酸性リン脂質がMARCKSの同じ部位に競合して結合することを示唆した.これらのペプチドに関しては2次元NMRによる立体構造の解析を現在進めている.また、F52タンパク質、さらに、GAP-43の短いホモログであるニューログラニンに関しては、全立体構造の解析に向けて、リコンビナントタンパク質の大量発現系を構築中である.質量分析法の応用によるリン酸化反応の解析に関しては、MARCKSペプチドに含まれる4つのリン酸化部位のリン酸化に協同性が見られることを見出した.支出した研究費は以上の研究に要した消耗品、実験補助に対する謝金が主なものである.
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