研究課題/領域番号 |
06277206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
花園 豊 東京大学, 医学部(病), 助手 (70251246)
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研究分担者 |
佐々木 光 東京大学, 医学部(病), 特別研究員
小川 誠司 東京大学, 医学部(病), 医員
田中 智之 東京大学, 医学部(病), 助手 (50227154)
三谷 絹子 東京大学, 医学部(病), 助手 (50251244)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | GM-CSF / エリスロポエチン / インターロイキン(IL)-3 / Grb2 / Ash / Vav / チロシンキナーゼ / チロシンリン酸化 / 細胞内情報伝達機構 |
研究概要 |
我々は、造血因子依存性ヒト白血病細胞株(UT-7等)を用いて、顆粒球前駆細胞に作用する顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)や赤芽球前駆細胞に作用するエリスロポエチン(EPO)のシグナル伝達の研究を続けてきた。本年度の成果は以下の通りである。 (1)Grb2/Ash共沈蛋白質pp94の解析-GM-CSF、IL-3、EPO依存性のヒト白血病細胞株UT-7をGM-CSF、IL-3、EPOで刺激すると、Grb2/Ashと複数のチロシンリン酸化蛋白質が共沈する。これらの共沈蛋白質のうち最も強くリン酸化される94kDのチロシンリン酸化蛋白質(pp94)の性状解析を進めた。pp94のチロシンリン酸化は造血細胞の造血因子と関係し、また、GST融合蛋白質を用いたin vitroの沈降実験から、pp94はGrb2/AshのSH2と結合することがわかった。 (2)Vavの役割-造血細胞において実際にRasを活性化するguanine nucleotide exchange factor(GEF)として、我々はプロトオンコジーンであるVavに注目した。Vavは、最近になって、Rasを活性化するGEFであると報告された。UT-7からVavを免疫沈降してチロシンリン酸化レベルを調べると、VavはGM-CSF、IL-3、EPOの刺激でチロシンリン酸化される。さらに、GST融合蛋白質を用いたin vitroの沈降実験から、UT-7においてVavがGrb-2/AshのSH3と結合することを明らかにした。造血細胞におけるRasの活性化経路の一つとして、チロシンキナーゼ→Grb2/Ash→Vav→Rasの可能性があり興味深い。
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