研究課題/領域番号 |
06277219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 講師 (50186798)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | エリスロポエチン受容体 / 赤白血病 / GATA-1 |
研究概要 |
マウスEpo受容体はその細胞外領域の点突然変異により129番目のアルギニンがシステインに置換しジスルフイド結合により二量体を形成することにより活性化され、自動的にシグナルが細胞内に伝達されることが知られている。さらにin vivoでこの活性型Epo受容体はマウスに赤白血病を誘起することから、Epo受容体の構造異常が発癌遺伝子として機能する可能性が示唆された。そこでヒト赤白血病(M_6)細胞に発現されているEpo受容体遺伝子をRT-PCR法で増幅し、TAクローニングを行い塩基配列を決定し、M_6との関係を検討した。その結果マウスで認められた構造異常はヒト赤白血病では認められなかつた。そこで赤血球系に特異的な転写因子であるGATA-1の発現を調べた。M_6の症例では全例GATA-1mRNAを発現していたが、M_6以外の症例ではその発現を認めなかつた。さらにM_6の経過中に骨髄性白血病M_6へ移行した症例を経験し、Epo受容体やGATA-1遺伝子の発現を調べた。M_6の時期にはEpo受容体やGATA-1mRNAの発現が顕著に認められたが、M_2の時期にはこれらの遺伝子の発現は極端に低下していた。Epo受容体遺伝子のプロモーター領域にはGATA-1結合配列があり、GATA-1がその遺伝子発現を制御していると考えられており、またGATA-1遺伝子自身の発現がGATA-1により制御されている。したがってGATA-1の正常制御逸脱によってEpo受容体を含む赤血球系に特異的な遺伝子の発現異常が生じ、赤白血病が発生する可能性が示唆された。
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