研究課題/領域番号 |
06277223
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
渥美 忠男 理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 先任研究員 (50151080)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 造血幹細胞株 / basicFGF / インターロイキン6 / 赤血球 / 好中球 / マクロファージ |
研究概要 |
胚幹細胞由来の多能造血幹細胞株A-6の増殖を指示する因子を調べ、basicFGFがもっとも強い活性を持つことが確認された。acidicFGFにも同様の活性が見いだされたが、同程度の活性を得るのに前者に比べ約100倍の濃度を必要とした。さらにSCF、インターロイキン6(IL6)にもきわめて弱いが活性があることも明らかとなった。 分化誘導についてはIL6に強い活性があった。A-6細胞をIL6で分化誘導した場合1週間で好中球が出現してくるが、赤血球、マクロファージはこれだけでは出現しない。それらを分化させるためにはIL6で培養した後エリスロポイエチン(EPO)とインターロイキン3(IL3)を含む培地に移す必要があった。この様なEPO、IL3存在下で多方向へ分化しうる細胞はIL6添加後1週間目より見いだされ、その出現頻度は日を追って上昇し約20日後に20個に1個までになる。そのほかではIL1-1およびSCFにもIL6程ではないが分化誘導活性が観察され、いずれの場合もEPO、IL3存在下で赤血球、好中球、マクロファージに分化する多能性細胞が誘導されてきた。basicFGFには分化誘導作用は殆ど見られず、その存在下で維持されているA-6細胞のなかには分化した細胞は殆ど含まれないのみならず、EPO、IL3中でコロニーを形成し多方向へ分化しうる多能性細胞も全く出現してこない。調べた限りの他の因子にはIL3を含めて分化誘導活性は観察されなかった。 これまでのところ赤血球、マクロファージ、好中球以外の血液細胞への分化は確認できなかった。現在リンパ球への分化を確認するために考えられるあらゆる可能性を検討中である。
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