研究課題/領域番号 |
06280115
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 健志 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (00019671)
|
研究分担者 |
恒吉 正澄 九州大学, 医学部, 教授 (10244229)
森下 和弘 国立がんセンター研究所, 主任研究官 (80260321)
松田 覚 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50242110)
佐藤 明 東京大学, 医学部, 助手 (70196210)
中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30180350)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1994年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
|
キーワード | 蛍光標識PCR-SSCP法 / 軟部悪性腫瘍 / がん遺伝子EVI-1 / Zink finger / △FosB / がん抑制遺伝子WT1 / がん遺伝子c-erbB-2 |
研究概要 |
各班員はそれぞれの実験系を用いて、発癌に関与する転写遺伝子群の作用機構を解明し、これに関わる他の遺伝子群を数多く同定した。またこれらの遺伝子群の癌化における構造異常検索のための実験系の確立に着実な成果をあげた。即ち、中別府は、核内がん遺伝子fosBの産物の一つである△FosBがサイクリンEとそのパートナーであるCDK2の発現をmRNA安定化によって増加させ、細胞増殖を引き起こすことを見いだした。佐藤は、がん抑制遺伝子WT1が細胞のG1/S移行を阻害し、またEC細胞の分化に抑制的に働き、血球系幹細胞と急性白血病細胞で異常発現していることを見いだした。松田はがん遺伝子c-erbB-2の発現調節に関与すると思われる転写因子様の蛋白質のcDNA2個をサウスウェスタン法によってクローニングした。一個はZink fingerを15個含む転写因子様蛋白質をコードし、今一個は細胞増殖抑制遺伝子btg1と相同性を示し、核移行シグナルと、PQの繰り返しを含むもので、これ自身、導入細胞の増殖を抑制した。森下は白血病原因遺伝子EVI-1の持つ2個のDNA結合領域の結合配列特異性を詳細に検討し、転写の活性化と抑制の両側面にそれぞれ関与していることを明らかにした。さらにこの蛋白質によって発現制御を受ける遺伝子の同定を進めている。恒吉は軟部悪性腫瘍(肉腫)における遺伝子構造異常を検索するためにホルマリン固定パラフィン包埋標本からの標的DNAの効率よいPCR増幅条件の検討を行ない、PCR-SSCP法によってすでに2例のp53点突然変異を同定している。またこれらの異常と、病理学的知見との相関に関して多くの知見を得ている。林は遺伝子構造異常の大規模検索法として、ポストラベル法による蛍光標識PCR-SSCP法の開発を行い、従来法の欠点であった蛍光標識プライマーの合成を経由しない実験法を確立した。
|