研究課題/領域番号 |
06280118
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊東 信行 名古屋市立大学, 学長 (00079956)
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研究分担者 |
樋野 興夫 (財)癌研究会癌研究所, 実験病理部, 部長 (90127910)
津田 洋幸 国立がんセンター研究所, 化学療法部, 部長 (10163809)
森 秀樹 岐阜大学, 医学部・第一病理, 教授 (70021433)
江角 浩安 国立がんセンター研究所, 支所, 支所長 (70160364)
岡田 茂 岡山大学, 医学部・第一病理, 教授 (20033201)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
1994年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 前がん病変 / 潜在がん / 顕在がん / 分子病理 / 実験動物 / 発がん / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 |
研究概要 |
実験動物を用いて各種発がん物質の投与より異なった臓器に、前がん病変、潜在がん、顕在がんを発生させ、その生物学的特性を病理学的、分子生物学的並びに分子病理学的に検討した。その結果、1.BBN誘発のラット膀胱発がんではMNUを追投与することにより浸潤性の膀胱腫瘍が得られたが、p53遺伝子の変異だけでは膀胱がんのプログレッションにはつながらないことが明らかとなった。2.LECおよびF344ラットの肝腫瘍、腎腫瘍のp53およびras遺伝子の点突然変異を検索し、p53の点突然変異を認めたが、特定のものはなかった。3.ウレタン投与により発生したマウス肺腫瘍の過形成、腺腫、腺がんの各段階で、K-ras遺伝子のcodon61におけるCCA(Gln)→GTA(Len)への変異が特異的であることを明らかにした。4.大腸のAberrant Crypt Fociでは高率にK-ras遺伝子が活性化していることが見出された。5.鉄-ニトリロ3酢酸誘発ラット腎臓がんにおいて、K,H,N-rasおよびp53には特異的な変異はなかった。6.MNUによって発生させた同一個体における各臓器の腫瘍についてrasおよびp53遺伝子変異には明らかな相関は得られなかった。7.DHPN誘発のラット甲状腺がんの可移植性株ならびに甲状腺の原発がん組織のp53の遺伝子変異はがん株の2例に変異を認めただけであった。8.遺伝性腎がんラットの腎がんの原因遺伝子はがん抑制遺伝子であることを明らかにし、この原因遺伝子としてgerm line mutationをTsc2遺伝子に見出した。9.MAMおよび1-HAQO 誘発のラット大腸腫瘍におけるK-rasとp53の点突然変異はほとんど認められなかった。従って、今後はin vivoレベルでの前がん病変での分子病理学的解析が必須と考えられる。
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