研究課題/領域番号 |
06280227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
甲木 孝人 熊本大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (40040191)
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研究分担者 |
安武 律 熊本大学, 教育学部, 教授 (20094790)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1994年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | フリーラジカル / 発癌 / antioxidant / プロモーター / アルキルパーオキシラジカル / P450レダクターゼ / EBウイルス / ヘテロサイクリックアミン |
研究概要 |
近年、発癌機構における各種フリーラジカルの関与が明らかにされつつある。今回は、食物中の発癌誘発物質(carcinogen)によるフリーラジカル生成機構を検討するとともに、食物中に含まれるフリーラジカル消去物質による、主に、アルキルパーオキシラジカル(L00・)に対する消去活性について解析した。 その結果、食物中、特に、加熱、baking等の処理により生成するヘテロサイクリックアミンによるO_2^-等の酸素ラジカル生成機構にチトクロームP450 reductaseが深くかかわる可能性が示唆された。さらに、野菜、豆、芋、お茶類を現実の食生活に準じた条件で調理し、その煮汁のアルキルパーオキシラジカル(L00・)中和活性を測定したところ、特に野菜の水加熱(煮沸)により得られた煮汁中に、強いL00・消去活性が認められた。また、EBウイルスによるトランスフォームアッセイによっても、野菜煮汁中には強い抗プロモーター活性が認められた。これらは、同時に、L00・によるDNA切断をも強く抑制した。 以上の知見は、食物中にラジカル生成活性に基づく発癌促進物質と抑制物質が同時に含まれるものの、それらの成分の活性は、食物の調理法により大きく変動することを示している。 今後は、さらに、L00・をはじめとするフリーラジカルによるDNAの化学修飾作用と遺伝子の転写調節におよぼすラジカル種の作用機構を解析することにより、フリーラジカルのかかわる発癌機構を分子レベルで解明していく予定である。
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