研究課題/領域番号 |
06280237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡崎 賢二 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助教授 (50211115)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | mos / がん遺伝子 / 細胞周期 / MAPキナーゼ / MAPKK / リン酸化 |
研究概要 |
1.Mosによる細胞がん化におけるMAPキナーゼの関与: Mosによる細胞がん化経路におけるMAPK活性化の意義について検討するため、MAPKKの一部子種であるMEK1のcDNAをクロン化すると共に、優勢不能型および優勢活性型MEK1を発現させるためのベクターを作製した。これらとMosとをNIH3T3細胞において共発現させることにより、優勢不能型MEK1がMosによるトランスフォーメーションを完全に抑制できることを明らかにした。一方、これとは対照的に、野生型MEK1の共発現によって、Mosのトランスフォーム能が顕著に高まることも示した。また、優性活性型MEK1はそれだけでトランスフォーム能を持ち、生じたフォーカスの形態的な特徴はMos単独によって生じたものと区別できないほど良く似ていた。以上の結果を総合することにより、MosによるNIH3T3細胞のがん化には、MEK1/MAPキナーゼカスケードの活性化が必須にして充分であることを初めて明らかにした。その一方で、RafやRasによるがん化には、複数の(MEK1/MAPKおよびそれ以外の)シグナル伝達経路が存在している事を示す結果を得た。 2.Mosによる核内原がん遺伝子産物の修飾、活性調節作用の解析: Mosとc-Fosの共発現における相乗的ながん化能増強の原因として、Mosのキナーゼ活性に依存して、c-Fosの蓄積量およびリン酸化が著しく増加していることを見いだした。次いで、Mosの存在下で起きるc-FosのC末端領域での特異的なリン酸化によって、c-Fosが代謝的な安定化を受けることを明らかにした。したがってMosは、本来きわめて半減期の短い転写調節因子であるc-Fosの機能を、リン酸化を通じた安定化によって制御できることが示された。
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