研究課題/領域番号 |
06280238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
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研究分担者 |
紙谷 浩之 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (10204629)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1994年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 2-ヒドロキシアデニン / グリオキサール / 活性酸素 / 突然変異 |
研究概要 |
デオキシアデノシン(dA)及びトリリン酸体(dATP)、一本鎖又は二本鎖DNAを活性酸素発生系[Fe(II)-EDTA]で処理し、HPLCで解析した。その結果、アデニン塩基の2位が水酸化され、2-ヒドロキシアデニン(2-OH-Ade)が生成することを見い出した。2-OH-Adeの収量を8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua)と比較したところ、dAやdATPを処理した場合には、8-OH-Guaの3〜6分の1、DNAを処理した場合には、8-OH-Guaの約40分の1であった。 次に、dATPから生ずる2-OH-dATPがDNAポリメラーゼ(クレノ-断片及びDNAポリメラーゼα)の基質となって、DNA鎖中に取り込まれるか否かを調べた。その結果、クレノ-断片は鋳型DNA中のT残基に対して、ポリメラーゼαは鋳型DNA中のTとCに対して、2-OH-dATPを取り込むことを明らかにした。 一方、鋳型DNA中の2-OH-Adeに対して、DNAポリメラーゼがどのヌクレオチドを取り込むかを調べたところ、dTMPの他にdAMPも取り込むことを新たに見い出した。この事実は、2-OH-Adeの生成が活性酸素によって生ずる、A→T変異の原因の一つである可能性を示唆するものである。 また、DNAをFe(II)-EDTAで処理し、HPLCで解析した結果、鎖の一部が切断され、グリオキサールが生じることを新たに見い出した。グリオキサールの生成量は、同一条件下で生じる8-OH-Guaの約20倍であった。この化合物は、ヌクレオチドやヌクレオシドのFe(II)-EDTA処理によっても生成した。フリオキサールは、Ames試験陽性の化合物であり、DNAからのグリオキサールの生成も又、活性酸素による突然変異・発がんの原因の一つである可能性がある。
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