配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
1996年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
(1)Brcalの染色体マッピングおよびPhIP誘発乳がんにおける役割 報告されているマウスBrcalの配列にもとづいてprimerを設定し、ラット精巣cDNAライブラリーよりクローンを複数個得、PCR-SSCPによりSD,F344,ACI,BUF,DON,WKY,WF,LEW,SHR,WTCおよびZIの多型を検討した。BNとWTC間で多型が検出されたのでLinkage解析した。染色体10番Gh locusより4.6cMの部位、Aep,Ppyから0.4cM Ghよりに相当する部位にマップされた。PhIP誘発乳がん4/15例およびDMBA誘発乳がん4/15例でGhまたはPpyにLOHが誘発された。 (2)Brca2の染色体マッピングとPhIP誘発乳がんにおける役割 ヒトBRCA2cDNAをプローブとしてラット精巣からcDNAクローンを得た。それをプローブとしてラットゲノムクローンを得、ACI,BN,BUF,COP,F344,SD,WKYおよびWTC系統間の多型を検討した。ACI-BUF間で多型が検出されたので連鎖解析し、染色体12番にマップした。ヒトBRCA2は13q12-13でRB1は13q13にマップされているがラットではRb1遺伝子は染色体15番で、Rbとは分離された。 (3)PP2A B制御サブユニットαの乳発がんにおける役割 PP2A B制御サブユニットαのラットcDNAクローンを用いて3'の非翻訳領域のPCR-SSCP解析を行いACI-BUF間に多型を見い出し、染色体12番Rb1から1cMはなれた部位にマップした。SD-F344間で多型を検出し、16例のPhIP誘発SD x F344 F1乳がんおよび5例のDMBA誘発乳がんのLOH解析を行ったが、検出されなかった。 (4)結論 ラット乳発がんにおけるBrcalの関与が示唆されたが、Brcalの両アレルに変異があるかは、今後解決すべき問題である。Brca2に関してはエキソン11のコードされるアミノ酸の系統間における多型は、系統間の乳発がん感受性の差を説明できるものではない。今後SD-F344間の多型を検出し、Brca2遺伝子の関与を解明する。セリン/スレオニンホスファターゼの発がんにおける役割解明を目的とし、種々の分子種について今後検討する。
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