研究課題/領域番号 |
06281115
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
喜多村 直美 関西医科大学, 医学部, 教授 (80107424)
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研究分担者 |
矢追 義人 国立がんセンター研究所, 室長 (20109979)
松島 綱治 金沢大学, がん研究会, 教授 (50222427)
反町 典子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 研究所 (30217468)
中島 元夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (90240738)
熊谷 勝男 東北大学, 歯学部, 教授 (00005018)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
1994年度: 15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
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キーワード | がん転移 / 細胞走化性因子 / サイトカイン / 接着分子 / アミノペプチターゼ / スキャッター因子 / 細胞増殖因子 / 癌細胞表面ムチン |
研究概要 |
転移性の高い癌細胞がどのように生じてくるかは、実験モデルにおいても臨床的な知見からもはっきりと解かっていない。そのメカニズムは発癌の過程とは明らかに異なっており、遺伝子レベルの変化よりも転移性に関係のある細胞形質の発現と調節機構の変化に由来している可能性が高い。しかしながら転移に関係のある分子の発現レベル又は機能的なレベルが転移性の獲得に伴って変化するメカニズムに関しては、ほとんど解明されていない。本研究では今までに癌細胞の転移性に強く関与していることが知られている細胞形成に対応する分子の発現の制御機構を解明することを目的として解析した。 転移制御については、走化性因子IL-8遺伝子転写におけるNF-kB、細胞表面糖蛋白MUC1遺伝子におけるKuなどの転写因子の役割が明らかになり、分子間相互作用による機能制御については、サイトカインIL-12によるNK1^+CD3^+細胞の活性化、アミノペプチターゼによる細胞外基質分解の重要性および接着分子CD44の新規リガンドが明らかになった。細胞内情報伝達制御については、スキャッター因子の情報伝達における新規のチロシンリン酸化蛋白質が同定され、Focal adhesion kinaseの安定性の調節にCキナーゼに重要性が示された。また癌細胞の再増殖に関与する新規の増殖因子が単離された。今後は新たに見出されたメカニズムとヒトの癌において癌の進行に伴う転移性の獲得との関係を明らかにしていく必要がある。また新たに見出された分子については、転移阻止のターゲットとなるかどうかを検討する必要がある。
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