研究課題/領域番号 |
06281217
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
粂 和彦 東京大学, 医学部(医), 助手 (30251218)
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研究分担者 |
和泉 孝志 東京大学, 医学部(医), 助手 (70232361)
清水 孝雄 東京大学, 医学部(医), 教授 (80127092)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / 受容体 / 増殖 / 癌化 |
研究概要 |
血小板活性化因子(PAF)は、低濃度で血小板凝集や血圧低下を引き起こす生理活性脂質として同定され、その後、多彩な生理活性が調べられている。またある種の細胞では増殖因子として働く可能性が示唆されてきた。そこで、癌化のモデル細胞系として、ラットの正常線維芽細胞であるNRF細胞を用いてPAFの増殖と癌化への関与を調べ、以下の結果を得た。 1.われわれのクローン化したPAF受容体を発現ベクターに組み込み、NRK細胞に導入して、高発現する細胞を樹立した。野生株細胞でのPAF受容体の発現量は検出限界以下だった。 2.これらの細胞を血清除去により静止期に停止させた後、PAFを添加して増殖に対する影響を^3H-チミジンの取り込みで調べたところ、低濃度では増殖を亢進する作用を認めたが、逆に高濃度では増殖を阻害した。 3.そこで、PAF分解酵素に耐性のPAFの誘導体であるC-PAFを用いたところ、低濃度でも増殖を阻害することがわかった。 4.この増殖抑制作用は強力でnMのオーダーで効果が認められ、v-mos,v-K-ras,v-srcなどの癌遺伝子による癌化も強く抑制した。 これらの結果は、当初の予想に反して、PAFがなんらかの機構で増殖や癌化の抑制に働く可能性を示唆した。生理的意義はまだ不明だが、このPAFによる抑制系は、チロシンキナーゼからの増殖シグナルの解析にも大変有用と考えられた。
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