研究課題/領域番号 |
06281222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金ヶ崎 士朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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研究分担者 |
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
布井 博幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50218260)
大海 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | CD30陽性細胞 / ホジキン病 / リンパ腫 / Bリンパ球 / 好中球 / Tリンパ球 / スーパーオキシドアニオン / 活性酸素 |
研究概要 |
好中球やマクロファージには活性酸素を産生し、これを細胞外に放出する機構がある。これらの細胞には形質膜に特殊なb型シトクロムが存在しこれが酸素に電子を与える役割をしている。このシトクロムは大小2つのサブユニットからなっており、両者のC末端は細胞質に長く伸長している。一方、細胞質には3種の蛋白質が存在しており、刺激時にはこれらがシトクロムのC末端上に会合する。この結果細胞内のNADPHから細胞表層の酸素に電子が渡されてスーパーオキシドアニオンが産生され、この分子種から他の活性酸素種が形成される。我々はこの活性酸素産生系が食細胞以外にも末梢血やリンパ節のBリンパ球に発現していることを見い出したが、この系は正常のTリンパ球には認められなかった。しかし、我々はこの系の鍵を握っているb型シトクロムがある腫の悪性リンパ腫に存在することを見い出した。そこで抗体を用いて調査したところ18例のホジキン病のリンパ腫のうち、16例にその存在を認めた。一方、ホジキン病以外のTリンパ腫ではほとんどこの系の存在を認めたかったが、2例のCD30陽性の細胞にこれを認めた。このことは、ある種のリンパ腫のTリンパが好中球と同様の活性酸素産生系を持ち、刺激により活性酸素を細胞外に放出している可能性を示唆する。そこでさらにホジキン病Tリンパ腫にシトクロム以外の活性酸素産生に関与する蛋白質が存在するかどうかについて単クローン抗体による免疫染色により検討したところ、細胞質に存在する2種の必須蛋白質(分子量47および65kDa)の存在を明らかにすることができた。もう一つの蛋白質は小分子GTP蛋白質Racなので、当然この細胞には存在することが推定され、ホジキン病Tリンパ腫は刺激により活性酸素を産生すると考えられる。
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