研究課題/領域番号 |
06281230
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
奥村 克純 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30177183)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | FISH / topoisomerase inhibitor / image analysis / chromosomal abnormality |
研究概要 |
FISH法を利用して各種がんに特異的な欠失や増幅領域を同定し、細胞がん化のメカニズムの解明の一助とするために、FISHの解像度ならびに感度をあげることを目的として、以下の検討を行った。すなわち、(1)DNAトポイソメラーゼIIの阻害剤を利用する超伸展染色体の作製としてICRF193が有効であることを示した。(2)画像解析システムの応用として、PXL1400の冷却CCDカメラシステムを用いた遺伝子のマッピング、ならびにFISHシグナルの定量的解析を行う一方、本システムがComparative Genomic Hybridization(CGH)法にも使用しうることを示した。(3)intact cellの核からDNAファイバーを引き出すExtended Chromatin Fiber(ECF),固定細胞から調製するChromatin Release(CR)の簡便作製法の検討を行い、簡単に安定したファイバーが得られるように改良し、数Kbレベルの解像度が得られることを示した。(4)伸展度の低い染色体標本しか得にくい各種培養細胞株からの伸展染色体作製法として、超伸展染色体作製に使用したICRF193を低濃度に作用させることが有効であり、平均約2倍の長さの染色体が得られることを示すと共に、がんなどの異常のバンドレベルの解析に有効であることを示した。(5)がんなどによるゲノム異常部位の検出へのDNA複製解析法の応用として、FISHによるDNA複製タイミングの決定法を詳細に検討した。これにより、広範囲の領域にわたる微小異常部位の検索が可能であることを示唆した。以上の結果より、がんなどの異常を染色体レベルから数Kbレベルにわたって解析できる方法を開発・改良することができた。今後はこれらを実際のがん試料について検討する予定である。
|