研究課題/領域番号 |
06281244
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
押村 光雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)
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研究分担者 |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 助手 (40225131)
清水 素行 鳥取大学, 医学部, 助教授 (80130756)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
25,400千円 (直接経費: 25,400千円)
1996年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1995年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1994年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | がん転移 / 転移抑制遺伝子 / 微小核細胞融合 / 染色体導入 / マウスメラノーマ細胞 / 微小核融合法 / ヒト18番染色体 / 微小核細胞融合法 |
研究概要 |
我々は、未知の転移抑制に関わる遺伝子のマッピングとクローニングを行うために、Y染色体を除く全ての正常細胞由来の染色体を微小核細胞融合法を用いて、マウスメラノーマ高転移株(B16-F10)へ移入し、ヌードマウスにおける造腫瘍性およびin vitro増殖特性の変化に対して抑制効果を示さないマイクロセルハイブリッド(MH)クローン(3番、4番、6番、8番、12番、13番、18番、X染色体)を選別した。分離した23種類の異なったヒト染色体移入クローン、計230クローンは、染色体解析により移入染色体の確認を行った。完全な移入染色体が高率に認められたMHクローンを用いて、転移抑制染色体を同定するための一次スクリーニングとして、ヌードマウスにおける造腫瘍性およびin vitro増殖特性についての検索を行い、これらのがん形質に対して抑制効果を示さない染色体移入クローン(3番、4番、6番、8番、12番、13番、18番、X染色体)を選別した。さらに、これらの染色体移入クローンは、以下の2種類の方法により転移能を検索した。さらに、選別した染色体移入クローンの転移能の抑制効果を受精鶏卵への注入による胎児肝転移を指標にした受精鶏卵法およびマウスへの静脈内注入による肺転移を指標にした手法により検索した。受精鶏卵法は、受精鶏卵漿尿膜上の血管へ5×10^5個の細胞を移植後、embryoの肝臓への転移結節を観察する。親細胞においては肝臓への平均転移結節数が74.6個で、その他の臓器(心臓、胃など)にも多数の転移結節が認められた。一方、18番染色体移入クローン(#18-1,9)においては、肝臓および他臓器に対して著しい転移結節数の減少が認められ、平均転移結節数は3.1および7.9であり、統計的に有意差が認められた(P<0.05)。他の3番、4番、6番、8番、12番、13番、X染色体移入クローンにおいては、親細胞と同様に高い転移能を示した。これらのことより、18番染色体上に転移抑制に係わる遺伝子の存在が示唆された。一方、マウスへの静脈内注入による肺転移を指標にした手法においては、3番、8番染色体移入クローンに、顕著な転移形成の低下が認められた。 以上の結果から、(1)3番、8番染色体上にも転移抑制遺伝子が存在し、(2)受精鶏卵法での結果との相関を示さなかったことより、異なる転移能検索法を用いることが、複数の転移抑制遺伝子の検索に有効であることが示唆された。
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