研究課題/領域番号 |
06281250
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
山本 俊輔 大分医科大学, 医学部, 教授 (90040188)
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研究分担者 |
瀬戸口 美保子 大分医科大学, 医学部, 助手 (20236110)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | osteopontin / promoter / recombinant / adhesion / haptotaxis / integrin |
研究概要 |
1.OP遺伝子の発現機序解析:a).プロモーター領域のCEの解析:-87--80間AAAACCTC配列にユニークな核蛋白が結合する。この配列を含む領域がシス配列として機能することを確認するために種々の領域を含むstable cloneを単球系細胞株SCC-3で作成した。これらのクローンのCAT活性を検討し、transientの系で観察した結果が正しいことを確認した。b).第一エキソン中のCEの解析:第一エキソン中にCAT活性を顕著に高めるCEが存在することを明かにした。第一エキソンは90ヌクレオチドからなるが多数の3'deletion CATクローンを作り検討した結果全長のクローンで最も活性が高く、3'deletionの長さに比例して活性が低下することを確認した。c)第一イントロン〜第三イントロン間のCEの検討:第一イントロン以下の下流配列のCEの有無を検討するためにこれらの領域を種々の長さで含むCATクローンを作成し、活性を検討した。その結果、第一イントロン配列の5'側配列を僅かに含む(12bp)クローンですでにCAT活性の有意の低下が起こり、さらに伸長すると(+245〜+630)強い活性低下が見られた。しかし、さらにその下流には+882領域を中心として活性を回復させる強いCEが存在した。2.rOPの分離と細胞接着および移動における意義の解析:a).rOPの分離:大腸菌系ベクターを用いてウサギおよびヒトOPを高レベルで発現させることに成功した。ウサギではさらにcDNAに点変異を導入し、RGD部をRGEに改変したrOPの作成にも成功した。b).rOPによる細胞の接着実験:ヒトおよびウサギrOPはマウスMφ細胞株P388D1およびB16細胞の接着を起こさせる。また、これらの細胞をrOPで処理することによりFNの活性を濃度依存的に抑制する。しかし、RGE改変rOPでは接着およびFNに対する抑制活性は見られなかった。抗インテグリン抗体を用いた阻止実験から接着にαvβ3以外のインテグリンが関与することを確認した。c).rOPのハプトタキシス(HT)に対する効果実験:rOPはFNに比べて弱いがP388D1およびB16細胞のHT活性を示す。rOPは種々の条件で濃度依存的にFNの活性を阻止する。しかし、変異rOPには阻止活性は全く見られなかった。HTではαvβ3の関与が考えられた。d).抗OP抗体の作成と応用:ウサギOPに対する抗体を作成しF(ab')_2がP388D1およびB16細胞のrOP依存性接着を阻止することを明らかにした。抗ヒトOP抗体を用いて検索したグリオーマのすべてでOPの発現を確認した。これらの細胞では主として53と47kdの蛋白と38と31kdのminorな蛋白の発現が見られた。また、三種のスプライスバリアントの存在を確認した。OP mRNAは悪性度の高い腫瘍で強く発現することを観察した。
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