研究課題/領域番号 |
06281253
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
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研究分担者 |
安光 英太郎 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10182346)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 痴呆症 / アミロイド蛋白質 / ゼラチナーゼA / 脳 / 老人斑 / 神経細胞 / ニューロン |
研究概要 |
「目的」 私達はこれまでの結果から、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の一種であるゼラチナーゼAが、脳内でAPP分泌酵素(α-secretase)あるいはβAP-clearing酵素として働く仮説を提唱した。本研究では、この仮説の実証を試みるとともに、この酵素の老人斑形成への関与を調べた。 「方法」 脳内でのゼラチナーゼAやそのインヒビターであるTIMP1、TIMP-2の発現をNorthern Blottingや免疫組織化学によって調べた。また、培養神経系細胞での酵素活性をザイモグラフィーによって分析した。 「結果と考察」 1)5種類のMMPと2種類のTIMPの発現をヒト大脳組織で分析した結果、ゼラチナーゼA、TIMP-1、TIMP-2の発現が見られた。ゼラチナーゼAは大脳皮質に比べて、白質でより強く発現した。 2)抗ゼラチナーゼA抗体で染色した結果、この酵素は白質部に存在するミクログリアが産生すると思われた。特に、非AD患者に比べてAD患者で強く発現していた。 3)培養系において、マウス胎児由来のアストロサイトとラットPC12細胞はゼラチナーゼAとBを分泌した。また、後者の細胞において両酵素の分泌はNGFによって誘導された。 以上の、ゼラチナーゼAが脳内の、特に白質部で発現されるという結果は、老人斑が灰白質部でのみ形成されるという結果と一致し、この酵素がβAP-clearing酵素として機能するという仮説を支持するものである。
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