研究課題/領域番号 |
06282101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
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研究分担者 |
柴崎 正勝 東京大学, 薬学部, 教授 (30112767)
塩入 孝之 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20012627)
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
影近 弘之 東京大学, 薬学部, 助手 (20177348)
佐々木 琢磨 金沢大学, がん研究所, 教授 (90109976)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
22,300千円 (直接経費: 22,300千円)
1994年度: 22,300千円 (直接経費: 22,300千円)
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キーワード | G-蛋白質 / レチノイド / フィブロネクチン / がん転移 / 血管新生阻害 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / TPA / ハービマイシンA |
研究概要 |
現在臨床使用されている抗がん剤の多くは,作用機序として細胞毒性に基づくものである.患者のQOLを考える時,副作用の少ない,細胞毒性によらない,新しい作用機序を持つ抗がん剤の開発が望まれている.本年度は、以下に述べる結果を得た.1)6位修飾-2-アミノプリン誘導体にKi-ras,Ha-ras遺伝子を導入したNIH3T3細胞の増殖を強く抑制する化合物群を見い出したが、これらはもとのNIH3T3細胞にも細胞毒性を示した.2)細胞分化を特異的に調節するレチノイドの新たなアンタゴニストとしてLE135を、レセプター選択的アゴニストとしてAm555S(RARα<β),Am68P(RARα>β)を開発した.3)がん転移を抑制するフィブロネクチンおよびラミニン関連ペプチドとポリエチレングリコールとのハイブリッドは効果を増強するが、より疎水的なJeffamineとのそれは増強効果を示さなかった.4)静止期細胞に対する細胞毒性の評価系を確立し、従来の化学療法剤を検定したがすべて無効であった.しかし、ナフトキノン類の中に細胞毒性を示す化合物を見い出した.5)高活性HIVプロテアーゼ阻害剤KNI-272の水溶性を高めるためのプロドラッグ化に成功した.6)5-フェネチルデオキシウリジンを含むオリゴマーがTmを低下させず、3'-エキソヌクレアーゼに抵抗性を示すことを見い出した.7)DNAトポイソメラーゼI阻害剤トポスチン関連化合物の効率的な合成法を開発した.8)TPAの11位メチル基、13位アセトキシ基を除去した化合物を全合成し、PKCに対する結合能を調べたところTPAの1/100の活性しか示さなかった.9)がん抑制遺伝子不活性化の原因の一つである、スプライシング異常を抑制する変異スプライス因子発現ベクター(U1snRNA)の構築に成功した.10)血管新生阻害物質ハービマイシンAの構造-活性相関を行い、C17位の修飾が効果増強を示すことを明らかにした.11)新規合成レチノイドの転移抑制効果を受精鶏卵を用いて検討したところ、Am555Sはヒト線維肉腫HT-1080の肝転移を顕著に抑制した.
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