研究課題/領域番号 |
06282104
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浅野 茂隆 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)
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研究分担者 |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
斉藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
小林 一三 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30126057)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
1994年度: 21,300千円 (直接経費: 21,300千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / リンパ球輸注療法 / 細胞障害性Tリンパ球(CTL)活性 / 免疫遺伝子治療法 / GM-CSF遺伝子導入腎癌細胞 / 細胞標的化 / Cre / loxP |
研究概要 |
本研究班では造血器腫瘍に対する細胞移植療法の新たな展開として遺伝子治療の観点から検討していく方向性に加え、各種固形がんの遺伝子治療をいかに理想的な形で展開すべきかを検討してきた。まず、須田らにより造血幹細胞cDNAライブラリーから受容体型チロシンキナーゼであるSTK/RON、TIE/TEKなどの遺伝子が新たにクローン化され、これらの幹細胞増殖に対する重要な機能が推定された。この遺伝子を用い、がん細胞を含めた細胞増殖機構の解明とアンチセンス等を用いたがん治療への応用が今後可能となろう。臨床面では、浅野らは同種骨髄移植後再発性白血病/リンパ腫に対するリンパ球輸注療法の実施ならびにその解析を行い、6例中2例で白血病細胞の減少を認め、1例で自家白血病細胞に対してのCTL活性を認めた為そのクローンの単離と解析を行っている。これにより将来的にはCTLを用いた効果的な免疫遺伝子治療法の展開が期待できるようになろう。また、東、新津、脇本、渡部、三谷、浅野らは、がん/白血病細胞に対する抗腫瘍免疫誘導の検討を行ってきており、CD80、86、TNF、IFN-γ、GM-CSFなどの遺伝子導入腫瘍細胞を用い、マウスでの抗腫瘍効果誘導に成功している。臨床面でも、浅野、谷らは既にGM-CSF遺伝子導入腎癌細胞をもちいた遺伝子治療の臨床プロトコールの作製を済ませ審査を受ける段階にある。一方、今後の方向性として細胞ならびに遺伝子標的化さらには遺伝子発現量の調節が重要であるが、その1つの方法として大崎らは大腸癌治療に向けてCEAプロモーターを用いた細胞標的化の有効性を、小澤らはRas遺伝子の標的化の有効性の示唆を、小林らは相同組み換え効率上昇に向けての示唆を、浅野、斎藤(英)らはヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子を、斎藤(泉)らはアデノウイルスと大腸菌P1ファージ由来のCre/loxPの系を用いた遺伝子発現量調節系の開発とその有用性を各々明らかにしてきた。以上のような新たな研究成果をもとに、今後更に細胞移植療法ならびに遺伝子治療の我が国独自の集学的がん治療法の臨床プロトコールの策定を進めていく予定である。
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