研究課題/領域番号 |
06282118
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
福岡 良博 東北大学, 加齢研, 助手 (00134049)
野中 勝 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (40115259)
岡田 則子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20160682)
瀬谷 司 大阪府立成人病センター, 主幹
藤田 禎三 福島医大, 教授 (20134223)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
1994年度: 10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
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研究概要 |
(1)ラットの種特異的補体制御膜因子として発見した5I2抗原の多寡で腫瘍細胞のサブクローンを作成すると5I2抗原発現の高い方が増腫瘍性が強かった。5I2抗原に対するモノクロナル抗(mAb)で腫瘍細胞を処理すると自己補体の反応を許してC3が沈着するようになり、この処理で腫瘍の免疫原性が高まったと考えられた。腫瘍細胞をワクシニアウイルスで処理すると免疫原性が高まるが、このとき5I2抗原の発現低下が認められたので、ウイルス処理による免疫原性増強に補体制御機能の低下が密接に関与していると推察した。マウスでも類似の知見を得た。(2)モルモットの補体制御膜因子であるDAFのcDNAをクローニングし、alternative splicingで多様なisotypesが存在することを発見した。(3)新規に発見したレクチン補体活性化経路の酵素MASPのcDNAから構造特性を明らかにした。腫瘍細胞のレクチン経路活性化も解析した。(4)5I2抗原cDNAのアンチセンスDNAをラット腫瘍細胞にトランスフェクトすることにより、5I2抗原の発現を抑制することができた。(5)マウス補体制御膜因子であるCrryは、ヒトにおけるDAFとMCPの制御作用を併せ持つことを明らかにした。(6)マウスCrryに対するmAbで腫瘍細胞を処理すると自己補体の反応を許容し、C3沈着を起こすようになることを確認した。強い補体反応は起こるが細胞障害には至らずCD59が働く為であると考えられた。この処理をした腫瘍細胞を同系マウスに接種すると腫瘍増殖の抑制が見られた。(7)腫瘍細胞を抗癌剤処理でアポトーシスを誘導すると致死細胞は速やかに貪食排除される。この腫瘍細胞クリアランスに際して、MCP、DAF、CD59(HRF20)などの補体制御膜因子群の激減が起こることを明らかにした。(8)自己補体活性化能を有する分子(アクチベータ-)を同定し、それを恒常的に発現する腫瘍細胞亜株を樹立した。(9)各種抗癌剤処理により補体アクチベ-チ-分子が発現誘導されることを明らかにした。
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