研究課題/領域番号 |
06282205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大泉 康 東北大学, 薬学部, 教授 (00006355)
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研究分担者 |
松永 公浩 東北大学, 薬学部, 助手 (90222306)
古川 賢一 東北大学, 薬学部, 助手 (20165468)
中畑 則道 東北大学, 薬学部, 助教授 (60045804)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 海洋微生物 / 細胞毒性 / ゴニオドミンA / ユ-ジストミン / 細胞運動 / アクチン |
研究概要 |
海洋微細藻の産生する細胞毒性成分: 地球・人間環境フォーラムから入取できる6藻類、19種類の海洋微細藻について実験室での試験培養を試みたところ、Scrippsiella trochoidea,Cachonina nieiの抽出エキスに細胞毒性がみとめられた。まずScrippsiella trochoideaの大量培養を行い、抽出エキスの酢酸エチル可溶部を1210およびP388培養細胞を用いた生物活性試験を指標としながら、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびHPLCを用いて順次分離精製を行ったところ、数種の活性画分を得ることができた。そのうち最も強い阻害活性を示す画分は10^<-5>g/mlの濃度でP388に対して90%、L1210に対して75%の阻害活性を示した。現在この化合物の構造を明らかにすることを試みている。そのほか10^<-4>g/mlの濃度でL1210をほぼ完全に抑制する画分を得ており、さらに精製を進め物質を明らかにすることを行っている。 さらに、有孔虫Marginopora vertebralisの共生藻の大量培養を同様に行い、酢酸エチル、n-ブタノールおよび水画分に分画した。そのうち酢酸エチル画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分画した。各画分において抗腫瘍活性試験を行ったところ3つのフラクションに細胞毒性が認められた。現在、これらの活性成分を精製することを行っている。 また、Goniodoma pseudogonioulaxより単離したポリエーテルマクロライド、ゴニオドミンAの作用を詳細に検討した結果、この化合物がアクチンの機能を活性化するというユニークな作用を見いだした。現在、細胞運動に関連して癌の転移機構に関する検討を行っている。 生薬に含まれる細胞毒性成分の単離 パラグアイ産生薬Espartillo guazu(Elinorus latiflorus Nees)のメタノール抽出エキスの酢酸エチル可溶部をL1210およびP388培養細胞を用いた生物活性試験を指標としながら、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびHPLCを用いて順次分離精製を行ったところ、L1210培養細胞に対して10^<-4>Mの濃度で60%阻害を示す細胞毒性成分を得ることに成功した。種々の機器分析および化学変換の結果、得られた化合物filican型トリテルペンであることが明かとなった。現在この化合物の誘導体を合成し構造と活性について検討し、さらに強力な活性を有する化合物を得ることを試みている。
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