研究分担者 |
中里 洋一 群馬大学, 医学部, 教授 (10106908)
中野 隆史 放射線医学総合研究所, 研究員 (20211427)
長谷川 正俊 群馬大学, 医学部, 助手 (50251111)
早川 和重 群馬大学, 医学部, 講師 (70114189)
三橋 紀夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (20008585)
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研究概要 |
放射線による細胞死の形式の主体が分裂死であるとしてきた,これまでの概念には疑問がなげかけられている.新部らは,長年にわたり間期死に注目し,照射後数時間後に出現する腫瘍細胞の核濃縮像あるいは,核片を貧食した組織球の存在を指標として放射線感受性の放射線病理学的研究を行ってきた.その結果,これらの所見の出現頻度の高い腫瘍の放射線感受性は高く,腫瘍縮小効果も良好なことがわかった.また,逆に,核濃縮像などの出現頻度の低い腫瘍では放射線感受性が低いことがわかった.ところで近年注目されてきたアポトーシスの形態学的所見と,新部らが中間死としてきた形態所見とは,極めて類似しており,同一のものである可能性が高い.そこで,最近開発されたアポトーシスを特異的に検出できる抗体を用いての,免疫組織化学的ならびにフローサイトメトリー法による検討,PCR-SSCP法による遺伝子変異の検索などを行い,放射線感受性の定量的解析を行おうとするものである. (1)ヌードマウス移植腫瘍を用いてのアポトーシス発現の検討:脳腫瘍および肺癌のヌードマウス可移植ヒト腫瘍を用い,アポトーシスと放射線感受性との関係を明らかにした.(2)線質の差によるアポトーシスの発現の検討:子宮頸部癌を対象として照射後6時間後に試料を採取し,X線と重粒子線とでのアポトーシスの発現頻度の比較はサイクロトロンの使用が可能となったので,近々,結果がでる予定である.(3)放射線感受性株と抵抗性株の培養細胞を照射して,in vitro実験でのアポトーシスの発現頻度とを対比し,両者間に関連性のあることを示唆する所見をえた. 今後はがん遺伝子やがん抑制遺伝子についても検討する.
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