研究課題/領域番号 |
06282210
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤村 眞示 千葉大学, 医学部, 教授 (80143270)
|
研究分担者 |
大和田 英美 千葉大学, 医学部, 教授 (30009625)
守山 洋一 千葉大学, 医学部, 講師 (30009641)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
|
キーワード | 細胞質性チミジンキナーゼ / 酵素分子形態 / ヒトヒ-ラ癌細胞 / 5-フルオロウラシル / ミトコンドリア性チミジンキナーゼ / サンドウイッチELISA法 / ヒトーリコンビナントチミジンキナーゼ / 抗ヒトチミジンキナーゼ単クローン抗体 |
研究概要 |
<研究目的>細胞増殖に伴い発現する細胞質性チミジンキナーゼ(TK)の、多様な形質発現と、その細胞増殖制御との関わりを明らかにし、癌および担癌生体におけるTKの、癌診断に効果的な検出法を確立する。 <研究結果>1.ヒトTKタンパクの性質 (1)ヒト癌(HeLa子宮頚癌)細胞の粗細胞質分画において、細胞質性TKは、I型、II型と命名した二つの活性画分として、DEAE-セファセルを用いたイオン交換カラムより、ミトコンドリア性TK活性画分の直前に、pH8の条件下に塩(NaCl)で溶出されることを発見した。ミトコンドリア性TK活性は全TK活性の大部分を占め、細胞が新たに増殖機転を得ても、ほとんど変動しないが、細胞質性TK活性はII型よりI型の方が高くでる。ヒトTKはSH基剤ジチオスレイトール(DTT)添加で活性が上昇するが、細胞を5-FUで処理したときII型のDTTによる活性化は特に著しい。 (2)血清中TK活性は、DTT非存在下では検出できないことが判った。呼吸器疾患143例の患者血清TK活性をDTT存在下に測定してみると、肺癌例では進行癌で高値を示す傾向にあった。 2.ヒト細胞質性TKのモノクロナール抗体(MAb)による検出 (1)いわゆるリコンビナントヒト細胞質性TK(rhTK)に対するMAbを、マウスミエローマ細胞を用いたハイブリドーマ法で25種を得た。23種のIgG(他2種はIgM)系MAbすべてがrhTKタンパクを検出、1種はTK活性を阻害した。 (2)IgG系23種のMAbの結合反応の特異性と定量性を高めるために、サンドウイッチELISA法を開発した。固定相に用いるMAbとパーオキシダーゼを抱合させたMAbの組み合わせ(23×22組)のうちから反応性が高く、しかも細胞質性TK以外の血清ないしは細胞成分と反応しないものを選んだ。 <考察>I型活性と増殖性、II型活性と癌の進行度との関係が示唆され、臨床例を重ねてみる必要がある。そのため、I、II型を分別測定するMAbを用いた簡便な方法を開発中である。
|