研究課題/領域番号 |
06282211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, ・薬学部, 教授 (60089597)
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研究分担者 |
柏木 敬子 千葉大学, 薬学部, 助手 (80169424)
白幡 晶 城西大学, 薬学部, 講師 (50150107)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ポリアミン / ビスエチルポリアミン誘導体 / 抗がん効果 / ポリアミン輸送 / アンチザイム |
研究概要 |
1.3種ずつのビスエチルテトラアミンとビスエチルペンタアミンを合成し、マウスFM3A細胞の細胞培養系を用いて抗増殖効果を検討した。抗増殖効果はビスエチルペンタアミンの方が強く、そのメカニズムとしては、ビスエチルポリアミンがポリアミン分解系の基質とならず、細胞内に過剰蓄積し、蛋白質合成、特にミトコンドリアの蛋白質合成を阻害するためであることが明らかとなった。 2.ビスエチルペンタアミンの一種であるBE3333の抗がん効果を、ヌードマウスを用いて検討した。ヒト大腸がん(SW620)又は肺がん(Lu65)をヌードマウスに移植し、80mgに達した時点でBE3333の30mg/kg静脈内投与又は50mg/kg腹腔内投与を5日間行った。投与期間中はがん細胞の増殖は完全に抑えられたが、投与中止と共にがん細胞の増殖が徐々に回復した。経口投与は200mg/kg迄全く抗がん効果を示さなかった。 3.ポリアミンは細胞増殖因子であるので、その生生成阻害剤も抗がん効果を示す。今回はオルニチン脱炭酸酵素阻害剤であるDFMOとスペルミン合成酵素阻害剤APCHAの併用でP388白血病担がんマウスの延命効果を検討した。DFMO(1.5g/kg)とAPCHA(25mg/kg)の5日間腹腔内投与は生存日数を1.3倍延長した。 4.細胞内ポリアミン含量は生合成と輸送に依存している。生合成の律速酵素であるオルニチン脱炭素酵素は、ポリアミンが過剰になると合成されるアンチザイムという蛋白質により、その分解が促進を受ける。この生合成を調節しているアンチザイムが、ポリアミン輸送も負に調節していることをマウスFM3A細胞を用いて明らかにした。すなわち、アンチザイムcDNAを細胞にtransfectすると、オルニチン脱炭酸酵素量の低下と共に、ポリアミン輸送能が低下した。
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