研究課題/領域番号 |
06282224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
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研究分担者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | プロスタグランジン / グルタチオン / ジエノン型PG |
研究概要 |
3成分連結PG合成法の活用によって、強い制がん活性を示す交差共役ジエノン型PG類を容易かつ大量に合成する手法を確立することができた。実際△^<12>-PGJ_2と類似の構造を持つ人口類縁^7体△-PGA_1メチルエステルを3段階、高収率で合成した。さらに、合成した△^7-PGA_1メチルエステル(1)およびPGA_1メチルエステル(2)の化学的挙動を調べることによりPG類の細胞内挙動の化学的シュミレーションを行った。その結果、(1)1および2は生体関連求核種のうち、グルタチオン(GSH)などのチオール類とのみ反応しMichael付加を与える;(2)1への付加はC(11)の位置で選択的に起こる;(3)1とGSHの反応は単純エノン2の反応よりも25℃で5〜6倍速い;(4)付加反応は可逆的であり1の付加体は2の付加体よりも不安定である;(5)セファロースで担持したGSHも同様に1に対して2よりも3倍速く反応する;(6)高分子チオール付加体は低分子チオール付加体と異なり、pH7.4で安定であり、pH9.5以上ではじめてPGが解離する、などの事実が判明した。このようなPG類の化学的性質はそれらの細胞内挙動と定性的によく相関する。すなわち、エノン型PGは細胞中のGSHと容易かつ可逆的に反応し、平衡で存在する遊離型PGの割合の多いジエノン型PGは核内への移行がより容易となる。さらに速度論的考察から、ジエノン型PG類は単純エノンPGに比べてより速く核内に移行し、核内チオールとより速く反応すると考えられる。核内でのPG付加体は生体高分子での制約された分子運動のため一変して安定となり、PGはアルカリ処理によってのみ遊離されると解釈される。これらの結果は、PG類の制がん性発現の分子機構に有益な知見を提供するものと考えられる。なお現在PGの核内受容体探索子を設計し、その生化学研究が進行中である。
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