研究課題/領域番号 |
06282228
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清野 裕 京都大学, 医学部, 助教授 (40030986)
|
研究分担者 |
石田 均 京都大学, 医学部, 助手 (80212893)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1994年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | GLUT1 / 転写調節 / ルシフェラーゼ・アッセイ / ゲルシフト・アッセイ / フット・プリント法 / HepG2 |
研究概要 |
我々はすでにヒトGLUT1遺伝子を単離し、転写開始部位および、5'-上流域の塩基配列を決定し報告した。さらに消化器癌や脳腫瘍でGLUT1の発現が著しく亢進し、癌細胞における細胞増殖に寄与する可能性を示した。本年度の研究において、この転写調節領域のDNA断片を制限酵素により処理し、数種類のdeletion mutantを作製してルシフェラーゼ発現プラスミドに組み込み、リン酸カルシウム法によりヒト肝癌細胞株HepG2に導入し、transient expressionの系でdeletionによる転写活性の変化を検討した。-317〜+181のDNA断片に対する5'-側からのdelectionでは、上流約200塩基を欠失させた-102〜+181のDNA断片までがきわめて強い転写活性を示し、さらに60塩基を欠失させた-40〜+181のDNA断片では活性が1/10まで低下し、このDNA断片から3'-側を欠失させた-40〜+55のDNA断片ではさらに活性が1/4となった。以上の知見より、ヒトGLUT1遺伝子の転写調節には転写開始点の上流-102塩基から下流+181塩基が特に重要であることが明らかとなった。引続き、培養したHepG2細胞より核抽出物を精製し、上記の-317〜+181のDNA断片を制限酵素処理して得た-312〜-168、-226〜-55、-102〜+74、-13〜+181の4種類のDNA断片を^<32>Pによって末端標識したプローブを用いてゲルシフト・アッセイを施工した。使用した4種類のプローブのいずれにも核蛋白が用量依存的に結合した。核蛋白の結合部位を特定するために行ったDNase Iフット・プリントでは、数カ所に核蛋白の結合によると考えられるラダーの変化が認められ、CCAAT配列、TATAA配列の他に、4カ所のTPA response element(TRE:TGACTACA)類似の配列を中心とする部分がDNase Iによる影響を受けにくくなっていた。先のdelection analysisの結果と合わせると、4か所のTRE類似配列のうち、-65付近と+60付近の配列がヒトGLUT1遺伝子の発現に深く関与していると予想されるため、今後、site directed mutagenesisなどの方法で変異を導入して転写活性の変化を検討する予定である。
|