研究課題/領域番号 |
06282257
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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研究分担者 |
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)
蒲生 忍 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90122308)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 抗体 / 遺伝子治療 / イムノジーン / イムノポーター / EGFレセプター / エンドサイトーシス / 遺伝子導入 / ジフテリア毒素 |
研究概要 |
1.イムノジーンの作製 本研究で用いたモノクローナル抗体B4G7は、ヒトEGFレセプター(EGFR)を認識し、EGFRとともにエンドサイトーシスされる。チオエーテル結合で架橋した抗体/ポリリジン複合体「イムノポーター」は、ジスルフィド結合による複合体よりも安定で、高い遺伝子導入効率が得られた。また、イムノジーン法において、抗体・ポリリジン・DNAの量比を至適範囲に保つことが重要であった。 2.イムノジーンによる遺伝子導入 遺伝子導入効率の指標として、β-Gal遺伝子を運ぶイムノジーンを作製し、EGFRを過剰産生するA431細胞の培養液に添加した。5日以上にわたりX-gal染色される発現細胞数の上昇がみられた。またクロロキンで細胞を処理するとイムノジーン法による遺伝子導入効率が上昇した。さらに、毒性はないがエンドソームから細胞質への移行能は保持した変異型ジフテリア毒素を共存させて作製したイムノジーン・ジフテリア毒素複合体を用いると飛躍的な遺伝子導入効率の上昇が観察された。したがって、イムノジーンがエンドサイトーシス系を介し遺伝子を導入すること、また、リソソーム活性および細胞質への移行の制御が、遺伝子導入効率の上昇に重要であることが示唆された。 3.イムノジーンの癌治療への応用の試み ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼ(TK)遺伝子を発現するプラスミドを運ぶイムノジーンを作製し、EGFRを過剰産生する扁平上皮癌細胞(A431およびNA)培養に添加後、ガンシクロビルで処理した。イムノジーンを添加した細胞では、ガンシクロビル依存的な殺細胞効果が観察された。 本イムノジーン法は生体内の特定細胞へのターゲッティングが可能な遺伝子導入法で将来の遺伝子治療には不可欠の技術である。組織特異的なプロモーターの利用などとあわせて生体系での効果を評価するために担癌マウスでの実験を進めている。
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