研究課題/領域番号 |
06282271
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
安藤 俊夫 愛知県がんセンター, 研究所・生化学部, 部長 (20012693)
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研究分担者 |
大西 保行 実験動物中央研究所, 腫瘍研, 研究員 (70201382)
石田 良司 愛知県がんセンター, 研究所・生化学部, 主任研究員 (50150214)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | DNAトポイソメラーゼ / CPT-11 / VP-16 / ADR |
研究概要 |
DNAトポイソメラーゼ(トポ)を標的とする有効な抗癌剤に対する細胞の感受性を決定する要因についての検討を行った。すなわち、肺癌、胃癌、大腸癌を含む73株のヒト癌培養細胞株及びヌードマウス継代株について、CPT-11、VP-16、ADRに対する感受性と細胞のトポI、トポIIαのmRNA発現量を測定し、その相互関係を検討した。その結果、1)各種細胞株においてトポIの発現量とトポIIαの発現量との間には相関は見られなかった。すなわち両者の間に相補的な発現調節は見られなかった。2)トポIの発現量は細胞間で数倍から数十倍の開きがあった。そして、各種細胞のCPT-11感受性とその標的であるトポI発現量との間には相関は見られなかった。すなわち、トポIの発現量のみがCPT-11感受性の唯一の決定因子ではないことを示している。3)胃癌株21株について、ADR及びVP-16感受性とトポIIαの発現量との間には正の相関が見られた。すなわち、胃癌細胞株においては、ADRとVP-16の標的酵素であるトポIIαの発現量がその薬剤感受性の決定因子である可能性が大きい。4)一方、肺癌、大腸癌株においてはADR、VP-16感受性とトポIIαの発現の間には有意な相関関係は得られなかった。このことは、肺癌や大腸癌においてはトポIIを細胞内標的とする薬剤の場合でも、癌細胞の感受性を決定している因子はトポIIαのみでなく他の要因もあることを示唆している。それ等の要因としては、薬剤の細胞内透過性、薬剤の細胞内代謝、DNAの障害の修復等に変化を来たした可能性があり、今後、それ等の要因の解析を行って行く。
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