研究課題/領域番号 |
06283205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 光昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012607)
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研究分担者 |
鈴木 健之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30262075)
平井 洋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10202277)
松崎 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (70282522)
谷村 朗 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90251446)
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研究期間 (年度) |
1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
169,000千円 (直接経費: 169,000千円)
1998年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1997年度: 39,000千円 (直接経費: 39,000千円)
1996年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1995年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1994年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
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キーワード | 細胞周期 / 細胞周期阻害因子 / 成人T細胞白血病 / 転写因子 / 遺伝子発現 / ウイルス発がん / HTLV-1 / 転写活性化 / 白血病ウイルス / 白血病 |
研究概要 |
ヒトレトロウイルス(HTLV-1)による成人T細胞白血病(ATL)の発症機構の解明を目的にして、そのがん原性蛋白Taxの機能についてさらに検討した。 昨年度までの研究で、HTLV-1の制御因子Taxは転写活性化因子であり、CREB、NF-κB、IkB、SRFへの結合によって多くの遺伝子発現を亢進する一方、細胞周期の阻害因子p16ink4Aに結合して、Cdk4キナーゼを活性化を誘導して、RBの不活化を介してG1期に停止した細胞の増殖を促進することも見出した。DNAウイルスのがん原性蛋白もRBを不活化してがんを起こすことから、Taxと16の相互作用がATLの発症に重要な役割を果たすことを示唆した。 今年度は、p16ink4Aのファミリーであるp18ink4C遺伝子の転写が、Taxにより抑制される機構を解析した。その結果、p18ink4C遺伝子の転写抑制にはE-BoxにE47が結合し、それにp300の会合がかかわること、p53依存性の転写の抑制にはp53とCBPが関わることを見出した。さらにこの抑制系でTaxがCBP/p300に結合して、CBP/p300のDNAへの会合を阻害していることを示した。これらのことから、TaxはCBP/p300に結合し、この複合体中のTaxがDNA結合蛋白に親和性がないときには転写を阻害し、親和性の強いときには転写を活性化するという、転写の活性化と抑制の統一的機構を提唱した。CBP/p300は極めて多くの遺伝子発現に関わるので、Taxの転写制御に関わるカスケードは予想より大きいものであると予想された。
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