研究課題/領域番号 |
06283207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渋谷 正史 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427)
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研究分担者 |
矢花 直幸 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90292846)
丸 義朗 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00251447)
後藤 典子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10251448)
松七五三 仁 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50251442)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
186,000千円 (直接経費: 186,000千円)
1999年度: 41,000千円 (直接経費: 41,000千円)
1998年度: 40,000千円 (直接経費: 40,000千円)
1997年度: 39,000千円 (直接経費: 39,000千円)
1996年度: 30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1995年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1994年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 腫瘍血管 / 血管透過性 / VEGF / 腫瘍プロモーター / チロシンキナーゼ / シグナル伝達 / C-キナーゼ / KDR / がん関連遺伝子 / 受容体型チロシンキナーゼ / Flt / EGFR |
研究概要 |
腫瘍血管形成や血管透過性亢進に関与すると考えられるVEGF(血管内皮増殖因子)およびその受容体(Flt-1,KDRキナーゼ)に関して分子生物学的、細胞生物学的解析を行い、本年度は以下の結果を得た。 (1)VEGFの遺伝子発現誘導物質のひとつとして、フォルボールエステル(TPA)が知られているが、他の腫瘍プロモーターが同様の活性をもつかは明らかでない。そこでnon-TPAタイプの腫瘍プロモーターによるVEGFの遺伝子発現調節作用を調べ、プロテインフォスファターゼ阻害剤Okadaic acidがVEGF mRNAレベルの上昇を引き起こすことをはじめて見出した。この作用はOkadaic acidのもつ2つの活性、プロテインフォスファターゼ1および2Aの阻害活性のうち後者に良い相関が見られたPKC阻害剤、TNF-alpha中和抗体で抑制できなかったことから、TPAとは異なるシグナル伝達によるものと考えられた。 (2)受容体KDRのシグナル伝達を初代培養血管内皮細胞およびKDR発現NIH3T3細胞をもちいて詳しく解析した。KDRはPDGF受容体と構造類似性を示すが、キナーゼ挿入配列の自己リン酸化モチーフが異なりシグナル伝達にかなりの違いが予想されていた。事実、Rasの活性化はほとんど認められず、PLC-gammaからPKCの活性化、Raf-MEK-MAPキナーゼの活性化が主なDNA合成経路であった。すなわち、ドミナントネガティブRasではVEGFによるDNA合成は抑制できず、PKC阻害剤で有効に抑制できた。これにより内皮細胞増殖の特徴のひとつが明らかとなった。
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