研究課題/領域番号 |
06283224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
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研究分担者 |
加藤 和則 順天堂大学, 医学部, 助手 (60233780)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
30,000千円 (直接経費: 30,000千円)
1996年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1995年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1994年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | キラーT細胞 / 細胞傷害機序 / パ-フォリン / Fasリガンド / 好中球 / アポトーシス / 細胞障害機序 / グランザイム / Fas / ICE / アポートシス |
研究概要 |
1.Fasリガンド(FasL)を種々のFas陰性のマウス可移植性腫瘍に発現させて同系マウスの皮下あるいは腹腔内に移植すると速やかに拒絶された。同様なFasL産生腫瘍の拒絶はヌードマウスやSCIDマウスでも認められ、好中球を中心とする炎症反応によることが示された。可溶性FasLは好中球に対し直接的に遊走活性を有し、また好中球の細胞傷害活性を惹起することが示された。FasL産生腫瘍を拒絶した同系マウスにはその腫瘍に特異的な免疫応答が成立し、その後の同一腫瘍の移植を拒絶した。以上の結果から、腫瘍局所で産生されるFasLは、その腫瘍がFas陰性であっても、局所に炎症を誘起することによって腫瘍の拒絶、さらには宿主の腫瘍に対する免疫応答の惹起に関与することが示唆された。 2.DBA/2xC57 BL/6(B6)F1にB6の骨髄細胞及びB6あるいはFasLを欠失したB6 gldの脾細胞を移入する骨髄移植系で、ドナーT細胞におけるFasLの欠損は急性GVHDに伴う体重減少及び致死率には有意に影響しなかったが、Fas陽性白血病細胞に対するGVL反応には低下が認められた。 3.マウスのFasLには2アミノ酸の置換による多型が存在し、既知のB6のC3HのFasLに比べ、BALB/cやDBA/2のFasLは比活性が数倍高いことを見い出した。 4.CD80あるいはIL-12遺伝子を導入したマウス肺癌細胞(B7/3LL,IL-12/3LL)は同系マウスで拒絶され、その後の同一腫瘍のchallengeを拒絶する腫瘍特異的な免疫が成立する。B7/3LLやIL-12/3LLを拒絶したマウスには3LL特異的なCTLが誘導されるが、同様な拒絶はFasLを欠損しているgldマウスやパ-フォリン欠損マウス、さらにはパ-フォリン欠損マウスにFasL中和抗体を投与しても起こることから、3LLの拒絶にはパ-フォリンやFasLを介した直接的な細胞傷害は重要ではないことが示された。現在、さらにIFN-γやTNFの関与を検討している。 FasLと同様に活性化T細胞に発現して一部の腫瘍細胞にアポトーシスを誘起する可溶性TRAIL(APO-2L)を作製した。TRAILによるアポトーシスはFasLによるアポトーシスと同様にcaspase阻害剤で抑制されたが、FADDのdominant negative mutantでは抑制されず、Fasとはシグナル伝達経路が異なることが示唆された。 6.新たなTNF receptor-associated factor(TRAF)-5を見い出し、TRAF-5がlymphotoxin-β受容体やCD30のシグナル伝達に関わることを示した。
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