研究分担者 |
竹中 暉雄 桃山学院大学, 文学部, 教授 (70064722)
西山 薫 清泉女学院短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (10237753)
菅原 亮芳 (財)日本私学教育研究所, 専任研究員
船寄 俊雄 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40181432)
榑松 かほる 桜美林大学, 文学部, 教授 (90112656)
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研究概要 |
文部省師範学校・中学校・高等女学校教員検定試験(略称:文検)の施行結果およびそこに出題された教育学関係の試験問題の分析を通じて,(1)この試験への合格は,受験生のライフ・コースにどのような影響を与えたか,(2)出題された問題は歴史的にいかなる教育学説の変化を反映しているか,を明かにすることが研究の目的であった。1)上記の2テーマについての研究成果を,日本教師教育学会年次大会に2度にわたり発表することができた。 2)(1)受験体験者中の生存者55名(回答率76.4%)へのアンケート調査により,同試験は教職体験の結晶化を自己学習のための重要な機会であったこと,受験には極めて禁欲的な長時間の研修が必要であったこと,その合格は師範学校教育科教諭へのstatus-seakingな満足感へと結びつくものでなく,むしろ教育者としての自己確認と成長の証となったこと,等が判明した。(2)6時間以上に及ぶ問題分析の結果,出題問題は時々の教育政策や教育動向を反映する面がなかったとはいえないが,しかし,明治中期にドイツから導入されたSchul padagogikの基本概念をくり返し問うものであったこと,その背景に,師範学校教授要目による内容規定が大きく働いていたこと等が明かになった。
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