研究課題/領域番号 |
06301068
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植草 益 東京大学, 経済学部, 教授 (70107481)
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研究分担者 |
清野 一治 早稲田大学, 政経学部, 助教授 (00183038)
西村 清彦 東京大学, 経済学部, 助教授 (70164580)
鳥居 昭夫 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (40164066)
横倉 尚 武蔵大学, 経済学部, 教授 (70120863)
井手 秀樹 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (40148606)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 企業の内部組織 / 企業間相互依存関係 / 技術効率性 / 流通機構 / 産業政策 / 公的規制 / 行政システム / 独占禁止政策 |
研究概要 |
本研究は産業組織論の観点から日本の産業と企業システム及びそれにかかわる行政システムに焦点をおき、(1)企業の内部組織、(2)寡占企業間の相互依存関係、(3)技術効率性と流通機構、(4)貿易と国際投資、(5)公的規制と行政システムの5つの視点からアプローチした共同研究である。 第1に日本企業の内部組織について経営者インセンティヴからみて必ずしも諸外国のそれに比べて異質でないことを実証的に明らかにする一方で、日本的経営と社会制度との関係をX効率の議論に基づき議論した。 第2に、寡占企業相互間の依存関係を最近の製品差別化理論やゲーム理論の展開に基づいて理論的に整理し、製品差別化が企業にとって価格競争の回避手段となっていること、企業の生産能力と価格協調との理論的関係を明らかにし、実際に日本企業の行動に当てはめて理論の妥当性を検証した。 第3に、市場構造と技術効率性との関係を実証的に分析し、競争的な産業ほど技術効率性が高いことを明らかにした。また、特許制度と企業のR&Dとの関係も実証的に明らかにすることができた。さらに、製造業企業による流通組織がきわめて高い参入障壁を形成し、競争制限の重要な要因となっていることも明らかにし、併せて独占禁止法の観点からの問題点の整理を行った。 第4に、一国の産業政策が交易条件に影響をもたらすことを理論的に示した上で、日本の産業政策を検証した。また、日本においては日本企業の対外投資に比べて外国企業の日本国内への直接投資が少ないことを日本市場の閉鎖性にその理由を求める諸外国の研究批判的に議論した。 最後に、公的規制の意義と問題を現状に照らして整理し、規制の背景にある日本の行政システムのメカニズムを明らかにすることに努めた。同時に独占禁止法や規制の国際統一の問題を議論した。
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