研究課題/領域番号 |
06301076
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
西村 閑也 法政大学, 経営学部, 教授 (30061039)
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研究分担者 |
横内 正雄 法政大学. 経営学部, 教授 (20166870)
小林 真之 北海学園大学, 経済学部, 教授 (10047988)
居城 弘 静岡大学, 人文学部, 教授 (80022276)
赤川 元章 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (60051603)
玉置 紀夫 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (80051621)
飯田 隆 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30176044)
山本 栄治 甲南大学, 経済学部, 教授 (30122758)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 金融 / 国際金融 / 国際金本位制 / 国際銀行 / 他国籍銀行 / 海外銀行 / 多国籍銀行 / 国際銀行業史 / 1870-1939年 |
研究概要 |
本研究が明らかにしたことは、1870-1939年における国際銀行の基本業務、すなわち貿易金融業務と各国際銀行の店舗間資金循環との結びつきである。この間の世界貿易は垂直防疫を基本としていたので、国際銀行にとって国際金融市場(ロンドン)に所在の店舗と一次産品諸国における商業中心地所在の店舗との関係が、業務遂行のための基軸となる。 一次産品国の輸出期には、国際銀行の一次産品国所在店舗(一次産品店)は現地通貨でロンドン宛輸出手形を買う。結果は一次産品店の手元現地通貨の減少と対ロンドン店債権の積み上がりである。一次産品国の輸入基には、一次産品店は対ロンドン送金用の電信為替等を売却する。結果は手元現地通貨の増大と対ロンドン店債務の積み上がりである。従って、国際銀行にとっては一次産品国の輸入期にどれだけのロンドン宛電信為替を売却し現地通貨を入手しうるのかが輸出期に購入しうる輸出手形の額を決定することになる。そして、電信為替の純売却可能額を決定するのは国際銀行ロンドン店の英ポンド建て流動資産保有額と、ロンドンにおける英ポンドの借り入れ可能額である。しかし、借り入れ可能額も保有資産額の関数であるから、結局国際銀行の営業規模を決定するものはロンドンにおいて取入れうる預金額である。 非英系銀行ロンドン店の預金の大部分は本国政府・企業の預金であることが多いが、英系、英帝国系の銀行な英国居住者の預金、またはその銀行が証券発行を引き受けた外国政府・企業の預金を大量に受け入れることができた。この後者の預金が国際銀行の国際証券業務と貿易金融業務との接点をなす。すなわち、国際証券発行を活発に行いえた銀行は、発行主体の政府・自治体・企業の発行手取り金を預金として吸収し、その元利金支払い用の資金も年々預金として流入し、結果的に世界貿易の金融を活発に行うことが出来たのである。
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